中国語で先生のことは「老师 lǎoshī(ラオシー)」と言います。
逆に中国語で「先生 xiānshēng」という場合には、「〜さん」という意味の成人男性への呼称や夫のことを表すのが一般的です。
だから、たとえば訪問先の会社の入り口に、自分の名前が「欢迎佐藤先生」と書かれていても、日本語の先生の意味はなく「佐藤さん歓迎」の意味でしかありません。
日本語と中国語には、同じ漢字を使っていても意味が違うことがよくあり、それらについては「日本語と意味が違う中国語」でまとめて紹介していますが、この「先生」もそのひとつです。
ここでは日本語と中国語の「先生」の意味の違いと使い方を説明しながら、いろいろな呼び方について紹介していきます。
目次
中国語で先生(教師)=「老师 lǎoshī」の意味と使い方
「老师」は教師・教員を意味する
中国語で先生のことは「老师 lǎoshī(ラオシー)」と言います。
ここで言う「先生」とは学校で授業や学問を教える教師や教員のことです。
日本語で先生といえば、
- 弁護士・税理士などの士業
- 政治家・議員
などのことも指しますが、中国語の「老师 lǎoshī(ラオシー)」にはそれらの意味はありません。
医者については日本語と同じように「先生」で表していたこともありましたが(後述)今ではほとんど使われていません。
また、「老师 lǎoshī(ラオシー)」は敬称としても使えるので、呼びかけるときに苗字につけて使うと丁寧な言葉になります。日本語で「◯◯先生」というのと同じ使い方です。
lǐ lǎoshī zǎoshàng hǎo
李老师,早上好
リーラオシー、ザオシャンハオ
李先生、おはようございます
wǒ xiǎng dāng rìyǔ lǎoshī
我想当日语老师
ウォーシャンダンリーユーラオシー
私は日本語の先生になりたい
「当老师 dāng lǎoshī」で「教師になる」という意味になります。
ちなみに「想 xiǎng」は「〜したい」という意味の助動詞です。詳しくは「〜したいは中国語でどう言う?3表現の使い分け」で解説しています。
専門的な知識や技能など誰かに教える人
また、専門的な分野で知識・技能を教えたり指導できる人のことを「老师」の敬称で呼ぶこともあります。英語で言えば「teacher」が近いです。
tā shì wǒ de róudào lǎoshī
他是我的柔道老师
ターシーウォーダロウダオラオシー
彼は私の柔道の先生です
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中国語の「先生 xiānshēng」の意味と使い方
「先生」は成人男性の敬称=「〜さん」「〜様」
中国語の「先生 xiānshēng(シエンション)」は成人男性の敬称です。
日本語でいえば「〜さん」「〜様」に当たる呼び方になります。
目上の男性やお客さんに対しても使えるし、外国人相手でも使える成人男性への敬称です。
そのため、たとえば中国で訪問先の会社の入り口に、自分の名前が「欢迎佐藤先生」と書かれていても、日本語の先生の意味はなく「佐藤さん歓迎」の意味でしかありません。
nǐhǎo, zuǒ téng xiānshēng
你好,佐藤先生
ニーハオ、ズオトンシエンシャン
こんにちは、佐藤さん
dà wèi xiānshēng, zhè biān qǐng
大卫先生,这边请
ダーウェイシエンション、ジェービエンチン
デービットさん、こちらへどうぞ
接客の中国語については、「接客で使う中国語」カテゴリーの記事をご覧ください。すぐに使えるフレーズが豊富に分かりやすくまとめてあります。
女性の敬称は「女士」か「小姐」
一方で、女性の敬称は「女士 nǚshì(ニューシー)」か「小姐 xiǎojiě(シャオジエ)」になります。
「女士」と「小姐」の違いは、英語でいえば「Mrs」と「Miss」の違いに近く、年齢が若く結婚していないと思われる女性には「小姐」を使います。
nǚshì men xiānshēng men, wǎnshànghǎo
女士们先生们,晚上好
ニューシーメンシエンションメン、ワンシャンハオ
レディース・アンド・ジェントルメン、こんばんは
よく使われる慣用表現です。英語の「Ladies & gentleman」をそのまま翻訳したものですが、フォーマルな場面でもよく使われる表現です。
夫を意味する「先生」
中国語の「先生」には、夫を指す意味もあります。
自分の夫、他人の夫、どちらの場合でも使えます。注意点は人称代名詞が直前に必要なことです。
wǒ xiānshēng gānggāng chū qù le
我先生刚刚出去了
ウォーシエンションガンガンチューチーラ
私の夫はたった今出かけていった
tā xiānshēng shì rìběnrén
她先生是日本人
ターシエンションシーリベンレン
彼女の夫は日本人です
有名な知識人などを意味する「先生」
誰もが知っているような有名な知識人のことを、「先生」を付けて呼ぶことがあります。
lǔ xùn xiānshēng
鲁迅先生
ルーシュンシエンション
魯迅
sūn zhōng shān xiānshēng
孙中山先生
スンジョンシャンシエンション
孫文(孫中山)
医者を意味する「先生」
以前は医者・医師のことを「先生」と呼んでいたこともあったようですが、現在ではほとんど使われなくなっています。
医者のことは、「医生 yīshēng(イーション)」もしくは口語では「大夫 dàifu(ダイフ)」と呼ぶのが一般的です。
占い師・風水師などの先生
占い師や風水師などの特別な職業の人のことを「〜先生」と呼ぶことがあります。
jiàn xīn fángzi de shíhòu yào ràng fēngshuǐ xiānshēng kàn yīxià
建新房子的时候要让风水先生看一下
新しい家を建てるときには風水の先生に見てもらう必要がある
風水の先生、算命と呼ばれる八卦占いの先生のことを現在でも「〜先生」と呼ぶことがあります。
中国には「教師の日」がある
中国では毎年9月10日は「教师节 jiàoshījié」=「先生の日」とされています。
9月10日は孔子の誕生日で、文化大革命の際に教育が荒廃してしまったことへの反省と教師の地位向上を目指して設置されたそうです。
全国的に統一されたイベントなどはありませんが、学校では先生に感謝の手紙やカード、花などを渡したり、SNS上では先生への感謝を示すメッセージが行き交ったりします。
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まとめ:日本語と違う中国語の「先生」
日本語と中国語の「先生」の意味の違いと使い方を説明しながら、いろいろな呼び方について紹介しました。
中国語で先生のことは「老师 lǎoshī(ラオシー)」と言い、逆に中国語で「先生 xiānshēng」という場合には、「〜さん」という意味の成人男性への呼称や夫のことを表すことを見てきました。
日本語と中国語には、同じ漢字を使っていても意味が違うことがよくあり、それらについては「日本語と意味が違う中国語」でまとめて紹介しているので、あわせてご覧ください。
それでは今回はこの辺で。
再见~!