こんにちは!kammyです。
中国という社会は「不信社会」がベースになっています。
不信社会というのは、「赤の他人は基本信じない」という社会のことです。
このことが良い悪いの話はひとまず置いておいて、中国社会というのは日本とはまったく違う社会構造をしている、ということを紹介したいと思います。
他人を信じない例:あるお店でのやりとり
最初に私個人の具体例を紹介します。
というのも、具体的な話をしたほうが不信社会のイメージがつきやすいと思うからです。
それは高速道路のサービスエリア内の小さなお店でソーセージを買ったときのことでした。
パートのおばちゃんが2人くらいいて、とうもろこしや軽い揚げ物などの軽食を売っているお店です。
後ろで見ていた妻(中国人)が、たった今ソーセージを買った私に向かって次のように言いました。
「それ焦げてるかもしれないから交換してもらって」
そのソーセージは、お店のおばさんが選んだものだったので、“焦げたものを意図的に選んだ可能性がある”から、よく見てみて焦げてる場合は交換してもらって、という意味です。
閉店間際で、まだたくさんのソーセージが残っていたことも関係していたかと思います。
ただ基本的に、買い物をするときのマインドは妻のような感じが中国では一般的だと思います。
スポンサーリンク
中国人は常に他人に騙されることを想定している
常に「騙される、もしくは悪いものをつかまされる」ことを想定して、買い物をしているのです。
こちらが要求しなければ、お店にとって都合のよいもの=お客にとって都合の悪いものを渡される可能性が常にあるということです。
お互いをまったく信用していない、といえばそれまでですが、手持ちの小銭をすべて渡してお釣りだけ返してもらう、という老人を見かけることもある日本での「信用をベースとした買い物感覚」とは180度違うといっても言い過ぎではないと思います。
「ちょっと焦げてるからそっちと交換して」
私がそう伝えると、一応「どれも焦げてないから大丈夫だよ」と言い返されるのですが、それは体裁上の切口上で、交換はしてくれます。
交換・返品は当たり前の中国
買い物で交換くらいは当たり前なのが中国です。
そこで店員が「すみませんでした」とかは一切ありません。日本だったら、お店に非がなくても謝りそうなものですが、そういった状況は発生しません。
閉店間際に山盛りに残ったソーセージだけに限らず、あらゆる買い物の場面で、同じような警戒感を必要とするのが中国だと思います。
見知らぬ他人は信用しない「不信社会」がベースになっているのです。
「交換して」というのは、日本ではケチをつけているように思われることもあるかもしれませんが、「不信」がベースの中国ではお互いに当然のことだという認識があって日常茶飯事です。
ネットショッピングのタオバオでも、返品・交換をするのにはきわめてハードルが低くなっています。
簡単な操作で返品・交換ができ、日本であるような精神的なやりにくさはほとんどありません。
それと、焦げたソーセージを渡したお店のおばさんは「悪いことをした」という認識は持っていないと思います。
おばさんにとっては、注文されたものを渡しているだけ。
焦げたものが気に入らなければ売らなければいい。
できる範囲で交換はするけれども、それはお客に要求されたときのみ。
焦げたもので満足するお客もいるかもしれず、それは渡してみないと分からない。
焦げたものは早く売れたほうがお店にとってはいいので、とりあえず焦げたものを渡してみよう。嫌なら文句を言ってくるだろう。
あえて言葉でおばさんの心理を説明すれば、こんなところになるでしょうか。
もちろんいちいちこんなことを頭の中で考えているわけではなく、反射的にやっていることです。
根本的なマインドが日本とはまったく違うのです。
スポンサーリンク
現金のお釣りも交換ー偽札がババ抜きのような存在でたらい回し!?
「交換」ということに関していえば、よく見かける印象があるのはお釣りの現金でしょうか。
最近でこそ現金決済はめっきり少なくなりましたが、それでも現金での支払いはゼロではありません。
中国で流通している現金、特に紙幣は汚いことがよくあります。
お釣りとして渡される現金も同様で、汚かったり、やたらとシワがついていたり、メモがしてあったりする場合があるのです。
その場合は、その場で別のお金に交換してもらうことが多々あります。
汚くなったお金はババ抜きのババのようなもので、誰もが受け取りたくない可哀想な存在。
よく確かめずにもらってしまった紙幣の端がかけていたり、汚かったりすることはよくあって、しばらくしてから気付いて後悔することもたびたび。
その場で言えば交換はしてくれますが、過ぎてしまえば仕方がありません。
別の場所で、相手にバレないようにババをこっそり間に挟んだりして使ってしまうしかありません(笑)
同じ買い物であっても、不信をベースとするか、信用をベースとするかで、細かな対応が違ってきます。
不要な警戒を必要としない日本の買い物文化が気に入って、日本での買い物を楽しんでいる中国人観光客も多いだろうと想像します。