1ヶ月やそこらでマスターできるほど中国語というのは簡単ではありません。
あ、冒頭でいきなり残念なこと言っちゃいました?(笑)
これは中国語だけではなく他の言語にも言えることでしょう。
言語をマスターするには「継続が命」というのはなかば真理だと思います。
私自身、イギリスに留学したこともあるし、中国語は独学でほとんど勉強してきました。
その経験から言えるのは、英語も中国語もどちらも「継続することで使えるようになっていった」ということです。
中国語を習得するにはやっぱりある程度の時間が必要なのです。
- 「あぁ、じゃあ私には無理だ」
- 「時間なんてそんなにたくさん取れないし」
- 「継続するなんて気が重いなぁ」
と思った方もあまり落ち込まないでください(笑)
数十年前ならともかく、いまの時代は
- 本屋に参考書はあふれ、
- それらをネットで買うこともでき、
- スマホのアプリも豊富に揃い、
- オンラインで世界中の誰とでも気軽につながれる
そんな時代です。
歴史上いままでにないほど豊富なこれらの教材群をうまく利用しましょう。
そうすればあなたも効率的に、楽しく、継続して、なおかつかなりの短期間で中国語を勉強し、マスターすることができます。
ただ逆に、学習教材があふれすぎているのもまた事実だと思います。
- 「参考書が多すぎてどれがいいか分からない」
- 「どの教材をどう利用したら効率的か分からない」
- 「どこから勉強をはじめたらいいのか分からない」
ここではそんな分からないことだらけの「ワカラナイ星出身の方」に向けて(誰だそれ)、中国語の勉強法とおすすめの参考書、アプリ、教材も紹介していきます。
私も中国語のネイティブスピーカーではないので、常に「中国語学習者」でもあります。
だから、どうすれば楽に、楽しく、継続的に中国語を身につけていけるかをかれこれ約20年近く考えてきましたし、今も考えています。
そしてすべてがスムーズだったわけではなく、途中でやめてしまった参考書や勉強法もたくさんあります。というかむしろそっちのほうが圧倒的に多いです。
そんな経験も踏まえながら中国語の勉強法、参考書、考え方をここで紹介します。
目次
まず知っておきたい日本人が中国語を勉強するアドバンテージ
日本人はすでに継続して中国語に触れている
※具体的な学習法だけを知りたい方は「中国語の具体的な勉強法」に飛んでください。
「語学は継続が命」ということを書きました。これは中国語も同じです。
そして、実は、日本人の誰もがすでにその基礎をすでに持っています。
もうすでにあなたは「継続的に中国語を勉強してきた」のです。
どういう意味でしょう?
中国語教育の第一人者である相原茂先生は、よく中国語の授業の冒頭で
「10秒で100の単語を教えましょう」
と学生たちに伝えるそうです。
たった10秒のうちに、単語を100も覚えられるはずがない。学生は半信半疑の眼を向ける。私はやおら黒板に向き、
一 二 三・・・・・・ 九十八 九十九 一百
と書く。これで数字の1から100までを表したつもり。
相原茂『はじめての中国語』p.10
「なあんだ」と思われたかもしれませんが、他の外国語のことを考えてみてください。
英語の13とかそのスペルを覚えるのに苦労した経験はありませんか?
ちなみに今でも自信をもって書けますか?(笑)
でも、中国語ではすでにそれができているのです。
しかも数字というのは年月日、時間、お金などなど日常生活のさまざまな場面で避けて通ることができない常用単語です。
それをすでにみなさんはマスターしている!
常用漢字の◯割は中国語と同じ
結論を先にいえば、正確に何割が中国語と同じだかは知りません(笑)きゃー、ごめんなさい!
でも3分の1は同じというのをどこかで見た記憶もあり(うる覚え)、いずれにせよかなりの数同じものがありますし、知らない単語でもだいたい想像できたりします。
たとえばぱっとあげれば、
山、大学、教室、手、水
これはすべて中国語と同じ字で同じ意味です。
これが英語になると、
mountain, university, class room, hand, water
日本人にとっては、英語と比べて圧倒的に覚える量が少ないことが分かると思います。
英語だけではありません。他のどの言語と比べても日本人がマスターしやすい言語が中国語なのです。
でも、逆に同じ文字でもまったく意味の違うものとかもあったりします。
ただ、それらはマジョリティではないので少し注意すればいいだけの話。
それでもやっぱり継続は大事
そういうわけで日本人が中国語を習得するには圧倒的に有利な立場にあります。
ただそれでも継続的にやっていく必要は避けられない。
そして継続するためには長期的な視点で考えれば、
強制的に使う環境が日常にある
もしくは
勉強したいというモチベーションがある
のどちらかもしくは両方になってくると思います。
ここをご覧いただいている多くの人が日本に住みながらの学習を考えていることを考えると、強制的に中国語を学ぶ環境は少ない。
そう考えると「どのようにモチベーション」を保っていくのか、ということが重要ポイントになってきます。
継続のためには挫折せよ!
下で参考書やアプリを紹介をしますが、そこで決まって出てくるのが
- 参考書を買ったけど最後までちゃんとできなかった
- 最後までできるか自信がないのに買うのはもったいない
といった類の悩み。
いいですか、いまから大事なこと言いますよ。
継続するためには挫折が必要なんです!
参考書でもアプリでも飽きたらどんどん次のに変える、くらいの勢いでよいのです。
もちろん1冊をしっかりとやり尽くすのは大切ですし、達成感も感じやすいかもしれません。
でも、積極的にどんどん挫折しましょう!(笑)
少し取り組んでみただけでも、その教材から学んだことはあるはずです。その教材と合う合わないかは実際にやってみないと分かりません。
私もぱらぱらっと見ただけでそのまま置きざりにされ、私を悲しい眼でじーっと見つめてくる参考書たちがけっこうありました。
ぱらぱらっとなら本屋で確認できるじゃん、と思うかもしれませんが、世はアマゾンの時代でございます(笑)
だからここでもできるだけ多くの教材を細かく紹介して、テキスト選びの参考にしてもらいたいと思っていますが、あまりにオススメが多すぎても逆に悩ましくなってしまうのである程度絞っては紹介します。
ここで言いたいのは、すべての教材を完璧にやり遂げなくてもよい、むしろどんどん鞍替えして触れる時間をつくることを大事にする=継続するということのほうが大切、ということは常に心に止めておいてくださいね。
そしてそうしていく中で、自分にあった教材が必ず見つかるものです。
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中国語の具体的な勉強法
大まかな勉強スケジュールの流れ:リスニングがネック
それではさっそく具体的な勉強法に入っていきましょう!
まず、全体としての勉強の方針を確認しましょう。
※クリックするとページ内のそれぞれの詳細に飛びます
こんな感じです。2〜4番は便宜上順番をふってありますが、順不同です。
それぞれについては順を追って説明しますね。
私個人の経験を言えば、机に向かって勉強するのはそれほど苦には思わないタイプ。
だから単語暗記とか文法の勉強はわりとはかどった印象があります。
しかし、リスニングについてはなかなか上達を感じられずに苦労した印象があります。完全に独学だったことも関係しています。
どの分野が勉強しやすいか、という点については個人差もあるので一概にはいえませんが、日本人は漢字の見た目に頼ってしまうことを考えても、リスニングをどう鍛えるかがネックになってくる、ということは頭の片隅にいれておきましょう。
リスニングでおすすめなのはスピードラーニング(無料で試供用CDを送ってくれます)ですが、これについては後ほど説明します。
また、接客シーンで必要な中国語を超特急で身につけたい人には、「これでスグ話せる!接客の中国語がゼロから超特急で身につくおすすめ勉強法」で紹介する勉強法を参考にしてください。
総合入門書を一冊通してやってみる
まず、総合入門書を一冊通してやってみることをおすすめします。
中国語の入門書はそれほど山ほど出版されていて、クオリティの高いものが数多くあります。
「1ヶ月目はまずは発音だけだぁ!」というスパルタ式はここでは採用せずに(笑)、まぁとりあえず中国語に触れてみようということです。
おすすめは次の3冊。この中からどれか1冊を選んでやればいいと思います。
どの入門書もさりげなく中国語の本質に触れていたりするので、やれば必ず今後の基礎になります。
続かなければ(そしてまだ意欲があるなら)他の参考書を遠慮なくのぞいてみたり試してください。
さっきも書きましたが、参考書挫折バンザイ、挫折ウェルカムです!
単語をとにかく暗記する
上の大まかな勉強スケジュールで列挙した2,3,4,5の順序は順不同です。
会話フレーズからやってもいいし、単語暗記をぐわーっと短期間でやってもかまいません。
ただ、中国語というのは文法事項がそれほど多くなく、語順と語彙が最終的には勝負になってきます(中国語の文法については「中国語文法ーその特徴と各項目を総まとめ」を参照)。
つまり、語彙の多さが単純に「中国語力」に直結します。
・・・という好循環サイクルもつくりやすくなります。
だから、ひとまず単語勉強について紹介しますね。
中国語の単語暗記の具体的な方法
漢字はだいたい知っていても、その読み方であるピンインは覚えなくてはなりません。
ピンインというのは、漢字の読み方をアルファベットで記したもののことです(ピンインについて詳しく)
一部の例外をのぞいて、漢字1文字につき1つの読みだけです。日本語のように訓読み、音読みがあったりしません。
だから、基本的には各漢字のピンインを覚えて読めれば単語についてはOKになります。
これはこれでやっぱり時間がそれなりにかかるものではあるのですが、最適な参考書やアプリについて紹介します。
短期集中でまとまった時間を取れる人は、やはり従来通りの参考書を使った学習が効率的だと思います。
中国語の単語にかんする参考書はそれほど種類がありませんが、迷えるあなたのために下記にまとめました。
さらに、補充的にアプリを使うと学習効果が早いはずです。
中国語の単語勉強アプリ「Drops」楽しくて単語学習が止まらない!
文法事項を一通りやる
入門書を終えたら、文法事項も一通りおさえましょう!単語暗記と並行してやって大丈夫です。
別記事で説明していますが、中国語の文法というのはそれほど難しくありません(中国語の文法について)
下手したら(?)総合入門書一冊とここのサイトに載っている情報でも十分です(自信もてよ)
文法を一通りみるのにおすすめの参考書はこちらです。
リスニングの強化
個人的にはこのリスニングが一番苦労しました。
いろんな参考書にCDは付いていてもちろん聞いていたのですが、リスニング上達にそれほど役立った印象はありません。
シャドウイングにもそれほど魅力を感じず(なんといってもつまらない!)、そのせいだろうと思うのですが伸び悩んだのがリスニングでした。
というわけで、ここはよくできた語学教材に頼りましょう!
おすすめするのはこちらです→スピードラーニング(無料で視聴用のCD送ってくれます)
日本語と中国語が交互に入っているので、イメージの塊として中国語が入ってきます。
漢字という見た目に頼りやすい中国語の学習において、音の塊とイメージを結びつけるのはかなり重要です。
スピードラーニングでは、中国語→日本語という順番で会話が展開されるので、中国語の音の塊を意味のあるイメージとして定着させることができます。
しかも会話形式で、感情のある程度こもったかたちで話されているので、イメージが湧きやすいのです。
イメージが湧いた状態で聞くと、頭に残りやすく、定着が早いです。
通常のテキストに付いている例文音源は感情がこめられておらず、まるでロボットが話したようなものもあります。
それだと生きた文章として頭が認識せず、身についたものになりません。
また、このスピードラーニングの音源では後ろにリラックスできる周波数の音楽が流れています。
これが予想外によいもので、聞き流すことが苦になりません。
もちろん紙のテキストもついてくるので、聞き流したものを文章のかたちで確認することも可能です。
まずは無料で視聴用CDを送ってくれるのでぜひ試してみてください。
気に入らなければ送料着払いで返送もできます。
【聞くことに徹底】スピードラーニング中国語会話フレーズを学ぶ・生の音にふれる
会話フレーズというのは、単語や文法を学んだだけだと把握しきれない表現が多いです。
これはこれでマスターしていく必要があると思います。
おすすめの参考書はこちらにまとめました。
中国語の発音学習について
中国語で発音はとくに重要、と言われます。1にも2にもまず発音、というわけです。
だからまずは中国語の発音をマスターしてから次のステップへ、という勉強法をおすすめする人も多いですが、私はそうした意見にそれほど賛同しません。
もちろん発音は大事です。発音が間違っていれば通じないのも事実。
しかし、私がより大事にするのは「継続性」。
留学などの強制的な環境がない場合には、継続性というのは「楽しさ、楽さ」と言い換えてもいいと思っています。
で、発音の練習というのはつまらない(笑)少なくとも独学で進めるには向いていない分野です。
ストイックな勉強ができる人、あるいはそういう環境にある人は、1ヶ月くらい集中して発音の訓練をするのもよいと思います。
というか本当はそれが日本人の大人が中国語を学ぶときの理想型なのかもしれません。
ただ1ヶ月、発音だけに向き合うのはちょっと辛い・・・のっけからやる気をそがれます。
私自身どうしたかというと入門書や総合解説書の冒頭には発音についての章が必ずあります。
それを参考書を変えるたびに、適当にやっていました(笑)
どれもそれほど面白くないからやり込むことはないのですが、新しい参考書に変えるたびに律儀にやっていました。もったいないからね(笑)
参考書ごとに微妙に解説が違っていたりして、いろんな角度から発音を学べたことが最終的には功を奏したのかもしれません。
とはいいつつも、発音だけを集中的にやりたい人は、これらの本がおすすめです。
どちらも1冊で発音のすべてをマスターできますが、『中国語発音完全教本』のほうがより詳しく言葉で解説してくれます。
まとめ
もう一度勉強のスケジュールをおさらいしておきます。
※クリックするとページ内のそれぞれの詳細に飛びます
総合入門書をやった後は、2−5は順不同で同時進行で進めていくのがよいかもしれません。
好きなものから取り組むのもよいでしょう。
それぞれの項目で紹介したリンク先は、もう一度下に貼っておきますね。
それでは今回はこの辺で。
再见~!