こんにちは!kammyです。
四文字の言い回し
以前別記事でも紹介したことのある相原茂先生のPodcast「相原茂の中国語閑談」。
中国語に関する話題をベースにしたPodcastで、その一部は本にもなっています。
その中で、中国人は四文字の言葉をよく使うという話が出てきました(本には含まれていない内容です)。
成語=四字熟語はもちろんだけれども、それ以外でも中国人はよく四文字の言葉を使う、という話でした。
そこではたとえば「完成任务」とか「确实如此」といった日常生活で使う言葉が20個ほど紹介されていました。
ちょうど最近、私も同じことを考えていたところでした。
相原先生もいいポイントをつくなぁと偉そうに感心したところです(笑)
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春節や結婚式のときのお祝いの言葉
私が気になったのは、春節のときの挨拶がきっかけでした。
「新年快乐,身体健康,万事如意,恭喜发财!」
決まり切った挨拶は、すべて四文字なのです。
日本で挨拶がすべて同じ文字数というのは考えづらいなと違和感を覚えたのです。
意味としては、「新年あけましておめでとう、健康でありますように、すべてがうまくいきますように、お金が儲かりますように!」といった感じです。
親戚で集まって節々で乾杯をしたりすると、こうした言葉が四方八方から飛んできます。
それがどれも不思議と四文字なわけです。
ビールが入ったコップを片手に詩を朗読しているような、そんな雰囲気がその一瞬漂います。
新年のときだけではありません。
結婚式のときや誕生日のときも、こうした四文字がよく飛び交います。
基本的におめでたいときには、よく使われる傾向があるようです。
中国人は小さいころから、こうした四文字の言い回しをたくさん教え込まれます。
だから、たとえば幼稚園に入るか入らないかぐらいの子であっても、「四文字あいさつ」をけっこうたくさん知っています。
中国語学習のなかでは、比較的後回しにされそうなこうした言い回し。
私は日常会話はそれなりに話せますが、中国独特の四文字の言い回しはボキャブラリーが豊富ではありません。
中国語の教科書でもそれほど重視されていなかったように思います。
それらを中国の子どもたちはスラスラと言えることに、今さらながら驚かされます。
新年のあいさつのときもそうですし、結婚式で新郎新婦にあいさつするときもそう。
小学生になるくらいまでには、一通りの「四文字あいさつ」ができるようになっているようです。
あぁネイティブスピーカーって羨ましいなと思う瞬間です(笑)
中国語があまり話せなくても、その場に適当な四文字の言い回しを2−3個丸暗記すれば、かなりそれっぽく見えるんじゃないか。
そう思えるほど、こうした言い回しは頻繁に使われます。
エレベーターの中の注意書き
面白いのは、エレベーター内の注意書きまでもが四文字で揃えてあることです。
全部で20個ぐらい書いてあって、まさに四文字のオンパレード。
すべてのエレベーターにあるわけではありませんが、四文字で揃えられているものが多い印象があります。
たとえば、スマホの写真に残っていたものを翻訳してみました。
1.手でボタンを押す、叩くのは厳禁
2.タバコ厳禁、ドアに寄りかかるな
3.動いているときは、ドアにもたれるのは危険
4.危険物は、エレベーターに入れるな
5.大きなものを運ぶときは、事前に許可申請を
6.アクシデントが起きたら、警報ボタンを
8.超過のブザーがなったら、後から入った人は出る
9.子どもが乗るときは、大人も一緒
10.火事が起きたら、エレベーターに乗らない
(数字の7番はもともと抜けています:笑)
内容的に特別なことはありません。
もし日本語であれば、特に韻をふんだり字数を揃えたりすることなく、通常の文章で書かれるような内容です。
それをすべて四文字で揃えることに、中国人の“四文字への愛”がにじみ出ているようにさえ感じます。
ある注意書きには(下写真)、右側に絵が描いてあって、それらも注意事項になっているのですが、その下の説明文もすべて四文字で揃えてありました。
さらに、注意書き全体のタイトルも四文字!
この注意書きの製作者が、四文字で揃えることに喜びを感じながらつくっていたような、そんな場面を想像させるような出来栄えです。
ちなみに、この四文字オンパレードの注意書き。
一部決まった言い回しもありますが、“四字熟語”といえるほど固定した言い方ではありません。
同じ内容であっても、違うエレベーターでは、微妙に違う四文字であったりします。
その意味では、新年や結婚式のあいさつとは若干違います。
「四文字あいさつ」は決まった言い回しです。
ただ、どちらにしろ中国人は四文字で表現することが好きなのは確かなようです。
単純に、四文字の響きが気持ちいい、というのが背景にあるようです。
日本人が、「5・7・5」の音に気持ち良さを感じるのと同じような理由なのでしょう。
もっといろんなところで、この“四文字への愛”が発見できると思います。
今後も少し注意して、また面白いのがあったら紹介します。
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