漢方薬を処方する先生にたまに診てもらっています。
漢方薬というのは、下の写真のような枯れた草木のようなものを煮詰めて、その煮汁を飲むというものです。
そして今回驚いたのは、その中に「セミの抜け殻」が入っていたこと!
夏になるとよく見かけるあのセミの抜け殻です。
何の種類のセミなのか(アブラゼミ?ミンミンゼミ?)というのは全く分からず、処方箋的なものにも「蝉衣(セミの抜け殻)」としかないのですが、ただ見た目はあの見慣れた姿なので、日本人がよく知るセミの抜け殻とそう遠くはないと思います。
ちなみにセミに詳しい友人は、アブラゼミ系でタイワンアブラゼミかもと言っていました(笑)
よく見ると土とか埃とかが普通に付いていて、もちろんそれは洗わずに、そのまま水につけて、それを煮込んで、その煮汁を飲みます。
ええ、飲みました。
そして、それを10日前後、毎朝晩飲み続けます。ええ、飲みますよ。
今回の薬はとても苦い味でしたが、煮汁の味は、薬の組み合わせ方によって微妙に違います。
かすかに甘みがあることもあるし、埃っぽかったりすることもあるのですが、基本的にはとてもとてもまずいです。
一回の診療で、10種類前後の薬を処方されます。
ちなみに今回、私はセミの抜け殻を含めて全15種類でした(前回は12種類)。
中国医学の先生が診断後に薬を処方するので、個人個人によって薬は違います。
よく行くお店では、パッと見たところ200ー300種類ぐらいの薬があるので、その組み合わせは本当に無数にあるんじゃないかと思います。
こういう漢方薬を扱うお店は、街中にもけっこうあって、今でも中国人に利用されています。
西洋医学ももちろんあって、その比重の方が今では大きく、大きな病院は西洋医学のものが多いのですが、その同じ病院内に中医学部門が併設されていることもよくあって、使い分けをしているようなイメージでしょうか。
何となく体がだるいとか頭痛とか肌のトラブルとか、そういう慢性的な症状の場合には、中医学を頼る傾向があるように思います。
さて、その効用ですが、最初に見たときはゴミにしか見えず(失礼)、ただの気休め的なものだろうと思っていました。
でも、慢性的な症状には確かに効くような気がします。
私は以前、よくゲップが出る体質だったのですが、1ヶ月くらいだったか、処方されたものを毎日「うわぁ苦ぁぁぁぁ・・・!」と言い続けて飲み続けたら治りました(言い続けたことと効果には関係ないとは思いますが)。
ちなみに値段については、1回の薬(10日前後分)がだいたい300−500元前後(日本円で約5〜8,000円)が相場のようです。
普通の薬に比べたらかなり高めですよね。
診てもらう先生に払う診療費は薬とは別で、そちらはかなり安くて15元(約250円)。これが平均的にどうなのかは、他の先生に診てもらったことがないので分からないのですが。
中医学・漢方薬の世界。奥が深く、まだまだ面白いことがたくさんありそうなので、またレポートしたいと思います。
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