目玉焼きというのを中国語に翻訳すると「煎鸡蛋」となるのですが、翻訳的には正しくても、この2つはまったくの別物なんじゃないかと最近思い始めています。
中国語の「煎鸡蛋」は、油でなかば揚げるようなイメージなんです。
この「煎」というのを辞書で引くと「少量の油で焼く」と出てくるので、「煎鸡蛋」はまさに目玉焼き。
なのですが、実際の調理となると、日本人としてはどうみても油は少量とは言えず、かなり多めの油で調理するのです。
やや大げさに言えば、油の上ではなく油の中に割った卵を落とすようなイメージの調理法です。
だから目玉焼きの仕上がりも日本のそれとは違ってきます。どちらが美味しいかは好みの問題ですが、中国にいると中国版の目玉焼きのほうが美味しい感じがするのは不思議です。
日本で同じ調理法をしたら油っこくて美味しくない気がします(笑)
よく言われることですが、中国の料理は目玉焼きに限らず基本「油多め」です。素材がすべて油にからまれてないと調理されていない、といいたいかのよう。
油をよく吸うナスなんかは、油のプールに入っているかのような見た目になります。日本人ならむしろ油を吸わせないように工夫したりするくらいですが(たとえば調理前に油にからめるとナスが油をあまり吸わない等)、中国料理では徹底的に吸わせて、むしろ油の方を食べると言ってもあながち間違いではない気がしています。
たとえば重慶の火鍋は、素材を油に付けて食べるのが基本です。すき焼きを生卵に付けて食べるように、火鍋から取り出した具を油に付けて食べます(参考記事→「重慶火鍋の専門店「井格」で食べる火鍋:大量のごま油に浸して食べる!」)。
その延長線上に目玉焼きもいます。テフロン加工で油を使わないなんて中国的には言語道断(だと思う)。油でぎっとりしたのが中国流の目玉焼き=煎鸡蛋です。
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