目次
中国語には声調がある
中国語には音の調子をあらわす「声調」があります。
声調は音のトーンといってよく、その高低や強さによって区別するものです。日本語や英語には同じものはありません。
ただ、日本語でも「雨」と「飴」のように音程の違いで意味を区別することもあります。
中国語ではそれが日常的に行われていて、しかも抑揚の度合いがもっと強いという感じで理解してもらえばいいと思います。
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声調(トーン)は4種類ありそれが四声(しせい)
![中国語の四声全部](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng6.png)
中国語の標準語には声調が4つあります。
第1声、第2声、第3声、第4声と呼ばれ、それに加えてトーンのない軽声というのがあります。
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/profile-yang-tuburu-warai.png)
その4つ+1つの声調はピンインの声調記号というもので表されています。
![中国語の声調記号](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-pinyin-ma.png)
ピンインというのは、中国語の漢字の読み方をアルファベットで示したもの。
その読み仮名であるピンインの母音の上に、どんなトーンで読むのかという声調記号が付けられているのです。
mā má mǎ mà
声調記号の形状が、音のトーンと似通っていることがあとで分かると思います。
軽声についてはトーンがないので声調記号はありません。
四声が違うと意味が違ってくる
どんなトーンで読むのかをわざわざ表記するほどなので、四声は中国語ではかなり大事な要素。
日本語は「あめ」と書いてしまえば雨も飴もいっしょですが、中国語ではそうはいきません。
中国語はそれを読み仮名の表記上もきちんと区別するのです。
なぜ声調=四声がそれほど大事なのかというと、同じ発音でも声調が違うと意味も違ってくることが多すぎるからです。
日本の雨と飴のように種類が少なければ文脈などから判断もつきますが、中国語にはかなりの数があってそれらをきちんと使い分ける必要があります。
たとえば、一番有名なのは「ma マ」という発音です。同じ発音でも、四声が違うと意味がまったく違ってきます。
第1声 | 第2声 | 第3声 | 第4声 |
mā 妈(お母さん) |
má 麻(麻) |
mǎ 马(馬) |
mà 骂(叱る) |
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/10/profile-kya.png)
一文字ではなく、二文字のものでもかなりあります。下にあげたのはほんの一部です。
どれも日常的に使う単語ですが、声調が違うとまったく意味が違ってきてしまいます。
现金 xiàn jīn (現金)
先进 xiān jìn(進んでいる)
告诉 gào sù(伝える)
高速 gāo sù(高速道路)
食物 shí wù(食べ物)
十五 shí wǔ(数字の15)
失物 shī wù(紛失物)
请问 qǐng wèn(すみません)
请吻 qǐng wěn(キスしてください)
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/09/nigaoemaker.png)
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/profile-yang-tuburu-warai.png)
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四声それぞれのコツと覚え方
中国語では四声が大事だということは分かったかと思います。
それでは1つ1つの声調を確認していきましょう!
どの声調でも少し大げさに表現するのが上達へのポイントになります。
また、想像しやすい例をできるだけたくさん出したのでどの参考書の説明よりもイメージやすいはず!
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/10/profile-odoroku.png)
第一声
![中国語の四声(第一声)](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng1-1.png)
- 鍵盤の音
- 時報の「ポーン」の音
- 電子レンジの「ち〜ん」という音
- 子どもが「いーだっ!」とやるときの「いー」
- 「たーけーやーさおだけー」の「けー」(ってか全部第一声かも)
高めの音を意識して出しつづけるイメージです。
ちょっと気を抜くと音が下がってきてしまうので、音の後半部に意識をもってくるのがひとつのコツになります。
とにかく音を下げないことを意識しましょう!
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/10/profile-yorokobu.png)
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第二声
![中国語の四声(第二声)](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng2-1.png)
- やくざのお兄ちゃんに肩がぶつかって言われる「あぁ!?」の声
- 弟が実はゲイだったと初めて知って「えぇ!?」と驚く声
- 「まじでぇ?」と超驚いて聞き返す「でぇ?」の部分
- 旦那の話していることが本気でさっぱり意味不明のときの「はぁ?あんた何言ってんの?」の「はぁ?」
上にぐっと引っ張り上げるイメージです。
日本人的にはちょっと上げすぎ?と思えるくらいがちょうどいいかもしれません。
コツは大げさすぎるくらいに後半部の音を高く引っ張ることでしょうか。
第三声
![中国語の四声(第三声)](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng3-1.png)
- 見ちゃいけないものを見て「みぃ、たぁ、なぁ?」と言われるときの「みぃ」の音
- 「へぇ〜」と地味に関心したときの低めの「へぇ〜」の音
- すごく不機嫌な部長が業務報告をきいて一言「ほぉ〜、それで?」の「ほぉ〜」の音
第3声は、日本人にとって一番むずかしいかもしれません。
というのも日本語のなかで日常的にあまり使う機会が多くないからです。
第3声の意識したいポイントは2つ。
- とにかく低〜く低〜く発音する。
- ゆっくり長めに発音する。
第3声は最後に「語尾を少しだけ持ち上げる」という教え方をする参考書も多いですが、今は「とにかく低空飛行で低さを維持する」というのが主流になってきています。
その低さとかかわってきますが、ゆっくりと長めに発音するのもうまく音を出すうえでのコツになります。
上からぎゅっと押さえつけて、声が上にあがらないようにするイメージでしょうか。
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第四声
![中国語の四声(第四声)](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng4-1.png)
- 遠くでカラスが「かぁかぁ」と鳴く声
- 田園調布の奥さまが口に手をあてがって「まぁ!」と驚く声
- 仮面ライダーがショッカーに飛び蹴りをするときに出す「とぅ!」の声
- 「そうだ、京都へ行こう!」の「そう」の部分
声を出したら、力を抜いて調子を下げるイメージです。
無理やりに音を下げようとはしないで、力を抜くことを意識するのがコツです。
軽声
軽音にはトーンはないので、音の高低は意識する必要なく軽く発音するだけです。
文末にある場合には軽くその音を添えるだけのイメージです。
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声調変化の3つのパターン
あとに続く声調によっては、本来の声調から変化して発音する場合があります。
そのパターンは3つです。
第三声の声調変化
第三声が連続すると、1つ目の第三声が第二声に変化します。
第三声+第三声 → 第二声+第三声
もっともポピュラーな例は「你好 nǐ hǎo」です。「你」は第二声「ní」という発音に変化します。ただしピンインの表記上には変化は必要ありません。
![中国語の第三声が連続したときの四声の変化](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng-change1.png)
不(bù)の声調変化
不(bù)はもともと第四声ですが、後ろに第四声がつづくと第二声に変化します。こちらはピンイン上の声調記号も変化後のものを書くのが一般的です。
![中国語の「不」の声調変化](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/11/in-chinese-sisheng-change2.png)
一(yī)の声調変化
「一」はもともと第一声ですが、それにつづく声調によってやや複雑な変化が起きます。
第一、二、三声がうしろに続くと第四声に、第四声がつづくと第二声になります。
「一」が一番うしろで後になにも続かないときは本来の第一声です。
![](https://kamiyamatomohiro.com/wp-content/uploads/2018/10/profile-tuburu.png)
- 一千 yì qiān(第四声に)
- 一年 yì nián(第四声に)
- 一百 yì bǎi(第四声に)
- 一万 yí wàn(第二声に)
- 统一 tǒng yī(第一声そのまま)
まとめ:四声は大事、意識して使い分けよう
中国語の声調、四声を細かく紹介しました。
同じ発音でも四声が違うと意味が違ってくるので、中国語では読み仮名であるピンインにも声調記号でトーンを示すことを見ました。
そして、4つの四声+軽声の発音のコツとおぼえ方についても紹介しました。
また、あとに続く四声の種類によっては、もともとの四声から変化することがあることも見てきました。
それでは今回はこの辺で。
再见~!