中国人は日本人と比べて、
直前に予定を決める
別の言い方をすれば、
直前まで予定を決めない傾向が強いです。
この感覚は中国人と接する中でしか体感することは難しいかもしれません。
が、このことを事前に知識として知っているとイライラすることも少なくなると思うので、中国人のひとつの特徴として書いてみたいと思います。
題して、「中国人よ、なぜそんなに直前に予定を決めるのだ?」
実際に幼稚園であった直前の通知
具体例で紹介しましょう。
「直前に予定を決める」
「直前まで予定を決めない」
とだけいってもよくイメージがつかないだろうと思うからです。
息子が通う幼稚園で、小学校参観がある旨の連絡がありました。
半年後に小学校に入学するのを控え、その下見として、小学校がどんな環境なのか子どもたちに体感してもらうというのが目的。
そのアナウンスが、中国版LINEのウィーチャット(WeChat)を通してあったのです。
ちなみに、幼稚園のほぼすべての連絡はこの中国版LINEを通してです。
日本の保育園のように、“大事なことはやっぱり紙で”的な雰囲気は1ミリもありません。
さて、面白いのはそのアナウンスがあったのが前々日の夜10時過ぎだったこと。
もうほぼ前日にアナウンスがあったようなものです。
子どもには、水筒を持たせて制服を着せるだけだったので、それほど準備は必要はありませんでした。
ただポイントは「父母どちらかも午後2時から参加」するよう書かれていたことでした。
子どもだけならまだしも、父母の参加に関しては、この直前のアナウンスは日本では絶対にありえないと思いました。
日本の真面目なお母さんなら発狂するでしょう(笑)
当然、義務ではなく、声をかけた側の幼稚園も全員参加は期待していません。
幼稚園としては、小学校を参観できるという親切な機会を提供している、それに来るか来ないかは―自身で都合を付けるかどうかは―そちらで決めてくださいね、という感覚なのだろうと思います。
自分でビジネスをしている父母が多く時間の融通がききやすいこと、会社に通っていても直前に休みをとれることが多いことなどを考えると、日本よりも父母の融通がききやすいのは確かです。
ただそれでも前日のアナウンスというのはかなり中国的感覚で、日本人的感覚では理解できないと思います。
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公式の休みの発表は、前年の12月
少し話は大きくなりますが、中国全体の公式の休みについては、毎年政府が発表することになっています。
その発表される時期もかなり直前です。
2018年の休みについていえば、2017年の12月1日に政府から発表されました。
もちろん旧暦の祝日などは月の動きに合わせて決まるので事前に分かるのですが、それでも公式のアナウンスがこれだけ直前というのは少し不思議です。
学校の年間行事などはいつ決められるのでしょうか。
もしくはカレンダーの製作会社とかどうしてるんでしょうか(笑)
事前に予定を決められないわけでもない
それでも、中国人が前もって予定を“決められない”ということでもありません。
たとえば結婚式の日程はそれなりに前もって―たとえば数か月前―に決められます。
会場を抑えるという理由もあるのでしょう。
さらに、国全体としても「5カ年計画」なるものが建国後、今でもつくられています。
未来の大きな方向性を示すということについては、中国人は割と好きなように感じます。
だから、予定を前もって決められないわけではないけれども、直前までは具体的なことは決めないことが多い、ということです。
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なぜ直前に予定を決めるのか?
中国では予想もつかないことが起きることが多いです。
これは生活してみると体感します。
で、予想が付かないことが多いから、予定も直前に決められることが多い、ということなのかなと思っています。
「計画をつくるよりも変化のほうが速い」
ということわざが中国語にはあります。
計画を立ててる間に、その状況や環境が変化してしまうから、事前にあれこれ考えるのではなく、目の前の変化にうまく対応したほうがよい、という教訓的な意味も含んでいます。
予定を立てることにあまり意味がないことを、中国人は歴史的・経験的に知っているようです。
それから、あまり「ちゃんとしよう」「しっかりやろう」という意識が日本人から見たら弱いのが中国人です。
悪くいえば何事もテキトーです。逆に日本人はしっかりしすぎ。
このことについてはまた別の機会に語ろうと思いますが、中国人は日本人よりもいろんなことに対して楽な態度で臨んでいるようです。
さて、中国人と日本人の違いはここで紹介しただけにとどまりません。
中国人の性格全般については「中国人の性格の特徴」でまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください!
また、中国の生活全般については「生活習慣・文化・風習における日本との違い」にまとめました。こちらもあわせてご覧ください!
余談:
幼稚園の小学校参観。その小学校の場所が分からず、参加する親数名が場所を聞いていたのですが―それも中国版LINEを通じてです―、それらのやりとりはすべて当日の朝。このあたりの親の反応も中国的だなと思いました。
こうした当日の写真は中国版LINEでバシバシ送られてきます。ほかにも変わったことや課外活動があれば、その写真やビデオもどんどん送られてきます。
日本ではプライバシーが云々などという理由もあり、そうしたものは少ない印象がありますし、そもそもそうした写真がLINEで送られてくることは、息子が通っていた日本の保育園では一度もありませんでしたが、中国はその辺はアバウトなのか、こうして日中のようすが伺えて嬉しいです。