こんにちは!kammyです。
車のフロントガラスにQRコードが貼られる未来が来るかも、という話です。
中国の車のフロントガラスには、電話番号が書かれた紙がよく置かれています。
電話番号は、車の持ち主の携帯番号。
車を動かす必要がある場合には、そこに連絡をくれればすぐに動かすよ、という意味なのです。
停車もしくは駐車スペースが不足していることが多い中国の都市部では、適当に停めるところがどうしても見つからず、仕方なく他の車をさえぎるかたちでしか停められないことがあります。
こういうときに中国人はこう考えるようです。
「他人の車をさえぎってイレギュラーなところに留めても、すぐに車を動かせるのであれば、それほど迷惑をかけることにはならない。長い間停めておくわけではないし、携帯番号を残しておけば、いつでも連絡がとれるから、どうしても必要なら連絡をくれるだろう。」
逆に、連絡先を残しておかなければ、車に何をされるか分からない、という不安心理もおそらくあるだろうと思います。
こうした“思考方式”自体、日本人にはまったく馴染みのないものです。
日本人であれば、特殊なケースをのぞいてフロントガラスに電話番号を残すということはしません。
「なぜ中国人はフロントガラスに電話番号を残すのか?」
深掘りすると面白そうなテーマですが、今回の本題はそこではなく(この話はいつかまとめて書きたいですが)、このフロントガラスの電話番号がQRコードに変わるかもしれない、という話。
車の持ち主を悩ませているのは、営業の電話が頻繁にかかってくるようになったり、個人情報が公開されてしまうこと。
車販売そのものだったり、中古車販売や保険、不動産といった関連業者からの連絡が絶えず入ってくるようになったりすることもあります。
電話番号が誰にでも見られるように貼られており、その車種からも販売にとって有益な情報を読み取られるでしょう。
ただでさえ、携帯番号が周囲の目にさらされているのは、中国人にとっても気持ちのよいものではありません。
そこで最近出てきたのが、「挪车码」という支付宝(アリペイ)の新機能。
※支付宝というのは、中国で最も普及している支払いアプリのひとつ。
その新機能で作成したQRコードを読み取れば、電話番号などの個人情報を知られることなく、車の持ち主に連絡が取れるという優れた機能です。
車の持ち主は、QRコードを作成して、それを車のフロントガラスに貼っておけばいいだけです。
QRコード自体の作成は無料ですが、送料に10元(約170円)がかかるようです。
このサービス自体は、今年1月ごろから有料のものを含めて開始されていたらしいのですが、まだいろいろと試験段階にあるのでしょう。
現在の段階では、広東地方に限定されており、全国で使えるようになるにはまだ時間がかかるのかもしれません。
いずれにしても車の持ち主にとっては便利な機能。1日5,000件以上がこのQRコードを申請しているといいます。
広東地方ではQRコードが貼られた車が急速に増えているのでしょうか。現地にいって確認してみたいものです。
停車・駐車スペースが急速に改善される見込みがないことを考えると、車のフロントガラスにはQRコード、という世界が近い将来、待っているような気がします。