ここ数年、シャインマスカットというブドウの品種が人気ですが、日本ではまだ値段の高い贅沢品といったイメージがあります。
1房2〜3,000円はするでしょうか。皮ごと食べることができ、甘みも強いので贈り物やお土産としても人気なのでしょう。
そのシャインマスカットが中国ではすでにかなり値下がりして、路肩でも販売されています。まったく同等の品種かどうかは分かりませんが、甘みが強く、皮ごと食べられるので実質的にはシャインマスカットと同じです。
気になる金額は、先日、家の近くの路肩で販売されていたもので1房30元くらい。これは約600円で、日本の3分の1から5分の1くらいにまで下がっていることに驚きました。
淘宝でも調べてみましたが、500gで約20-30元くらい。1房に換算すると約4〜500円といったところ。安いものだと500gで10元台もあって、1房換算だと300円くらいでしょうか。
(中国ではどこでも量り売りで、500g単位での金額表示が基本。だから1房の金額はざっくりです。参考:中国での買い物は野菜・果物何でも量り売りが基本|スーパー・屋台も同じ)
親戚によると、この品種が出始めた数年前には中国でも1房150-200元(約3,000-4,000円)と日本と同じような金額で販売されていたそうです。それがここ最近あっという間に値段が下がったとのこと。それだけ多くの農家が生産に参加して生産量が増えたということなのでしょう。
ネットで調べたところ、中国のシャインマスカットの栽培面積はすでに日本の29倍にも上っているそうです。これでは値段も下がるわけで、本当に29倍ならもっと安くてもいいくらいです。
参考:【独自解説】相次ぐブランド農産物の海外流出「シャインマスカット」中国産の価格は4分の1!年間損害額100億円!?“品種泥棒”防ぐ手立ては?
シャインマスカットに似た間違った日本語が書かれたカバーに包まれたのをよく見かけるので(「シヤヌマスタカト」とかだったような)、日本のもので高級品種だという認識は緩やかに広がっているのだろうと思います。
ちなみに中国語でシャインマスカットは「阳光玫瑰葡萄(yángguāng méiguī pútáo)」で、直訳だと「太陽の日差しのバラ」でしょうか。「シャイン Shine」の翻訳で「太陽の日差し」、そこになぜバラが追加されているのかは分かりませんが、眩しいくらいのキラキラネームですね。
日本ではなかなか手を出しづらいシャインマスカットが気軽に食べられるというのは嬉しいものの、上記Yahoo!の記事が書いているように、日本の農家の経済損失という点を考えると素直に喜んでいいものなのか…微妙な気分です。