「たぶん、きっと、おそらく」という中国語表現について見ていきます。
大概、估计、也许、可能、应该,差不多
どれも「たぶん、きっと、おそらく」などを意味する中国語なのですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
それをまず例文から見てみることにしましょう!
ちなみに日本語では「多分(たぶん)」と書きますが、この単語は中国語にはありません。そのままでは通じないので注意してくださいね。
まず、質問に対する回答として、それぞれの「たぶん・おそらく」単語がどのくらいの感覚をもっているのかを比較してみましょう!
質問はこれです!
sōng běn xiān shēng dài zhe jiǎ fā ba
松本先生戴着假发吧?
ソンベンシエンション ダイジュジアファーバ
松本さんってカツラでしょ?
「〜先生」は男性への敬称「〜さん」を表す中国語です。
「戴假发」で「カツラを付ける」という意味なので、「松本先生戴着假发吧」で「松本さんはカツラでしょ?!」という文章になります。
この質問にそれぞれで回答する場合、
それぞれの回答で、カツラに対してどのくらいの確信を持っているのかが違ってきます。
その観点でそれぞれの表現を比較してみましょう。
yě xǔ
也许
イエシュー
もしかしたらカツラなのかもしれない(確信度30%)
「也许」は確信度がこの中では一番弱いフレーズです。
「ひょっとしたらカツラかもしれない」ぐらいにしか可能性をみていません。
地毛の可能性がまだかなり残っている言い方です。
kě néng
可能
クーノン
たぶんカツラだろう(確信度50%)
「可能」は「也许」よりも確信はありますが、そこまでカツラを確信していない返事です。
イメージとしては五分五分くらいを想定しての答えです。
gū jì shì zhè yàng
估计是这样
グージーシジェイヤン
おそらくカツラだろう(確信度60−70%)
「估计」は「〜だと思う」に近い表現です。
経験や感覚からそうだろうと思う・感じるときに使うイメージです。
そういう意味では「可能」よりも根拠があるニュアンスがあります。
「生え際の髪の長さが違った」とか「髪型が毎日同じすぎる」といった観察の裏付けがある可能性を示唆する表現です。
chà bu duō
差不多
チャーブドゥオー
おそらくカツラだよ(確信度70−80%)
「可能」よりも可能性が高いイメージです。
このフレーズは日本語の「たぶんね」に近く、日本人としては使いやすいと思います。
dà gài
大概
ダーガイ
おそらくカツラだよ(確信度70−80%)
「差不多」とほぼ同じくらいの感じで、やはり「可能」よりもカツラの可能性が高いと考えているイメージです。
yīng gāi ba
应该吧
インガイバ
カツラでしょ(確信度80−90%)
確信めいたものを感じさせるニュアンスです。
この中では一番確信度が高いかもしれません。
髪全体がかなり大きくずれているところを目撃しているかもしれません。
そしてこれ以上確信が強まると、「一定(yī dìng)」「绝对(jué duì)」といった表現になっていきます。
さて、質問(松本さんがカツラかどうか)に対する確信度をまとめると下のようになります。
表現 | 確信度 |
也许 | 30% |
可能 | 50% |
估计 | 60−70% |
大概 | 70−80% |
应该 | 80−90% |
この確信感は個人差があるので、あくまでも目安として。
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さて、上の比較をあたまに入れながら、「たぶん、きっと」を使った会話の例を見ていきましょう。
なお、「かもしれない」の表現については下記もあわせてご覧ください。
>>>「かもしれない」の中国語|可能・也许・说不定・恐怕の違い
zhōng cūn xiǎo jiě yě xǔ xǐ huān nǐ
中村小姐也许喜欢你
中村さんはあなたのことが好きなのかもしれない。
「〜小姐」というのは、英語の「Miss」にあたる女性への敬称です。
「Miss」とほぼ同じ使い方なので、未婚の女性や若い女性に対して使います。
qiáo běn xiān shēng kě néng shì jī qì rén
桥本先生可能是机器人
橋本さんはきっとロボットです。
「机器人」はロボットの意味です。
松本さんがロボットかもしれない件については下記もご覧ください(どんな件?)
nǐ dà gài kàn cuò le ba
你大概看错了吧?
たぶん見間違えたんでしょ?
「看错」は「見間違える、見誤る」という意味です。
wǒ gū jì zhōng cūn xiǎo jiě shì wài xīng rén
我估计中村小姐是外星人
中村さんはたぶん宇宙人だと思います。
「外星人」は宇宙人の意味です。
tā de xiě yè yīng gāi shì lǜ sè de
她的血液应该是绿色的
彼女の血の色は緑色に違いない。
「应该」になると、今回のテーマ「たぶん、きっと」の範囲を超えて、ほぼ確信に近くなってくる印象ですね。
これがたとえば「她的血液可能是绿色的」になると、半分くらいの可能性で緑色だと思っている感じです。
ただ、両方に共通しているのは100%の確信ではないということです。
「たぶん、きっと、おそらく」を表すフレーズ・単語を紹介しました。
いくつも表現がありましたが、その微妙なニュアンスの違いは分かりましたでしょうか?
すべてをいっぺんに覚えようとするのではなく、使いやすいものから使ってみて慣れていくのがよいと思います。
なお、中国語の勉強法については「おすすめの勉強法と参考書・アプリのまとめ」に詳しく書いたのでぜひご覧ください。
また、中国語の文法事項ついては「中国語文法ーその特徴と各項目を総まとめ」にどこよりも分かりやすくまとめているのでぜひご覧ください。
それでは今回はこの辺で。
再见~!