中国語で単語の末尾に「r」=「儿」がつくことを「r化(アール化)」といいます。
分かりやすい例でいえば、
有点 → 有点儿
yǒu diǎn ヨウディエン → yǒu diǎnr ヨウディアール
のように変化することを「r化」=アール化と呼びます。
今回は、このr化=アール化についての解説です!
意味の違いや、発音の変化について詳しく説明していきますね。
目次
アール化は、発音的には最後の音節を舌をちょっとそりあげて読む感じになります。
イメージ的にはかなり舌をそりあげ、口はしぼみがちになるので、こもった発音になります。
一般的な英語のR(アール)の発音よりも、もっとこもって発音するような感じです(地域差もあります)。
中国北部のほうでよく使われ、南部ではほとんど使われません。
北京や天津のローカルではいろんな単語がアール化し全体として“もごもご”するため、慣れないと何を言ってるのか聞き取りづらい、ということがあるくらいです。
漢字表記では「儿 ér」を追加しますが、ピンインとしては「r」を1文字だけ語尾に付けるだけです。
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アール化によって、意味が変わる場合と変わらない場合があります。
小孩 → 小孩儿
xiǎo hái シャオハイ → xiǎo háir シャオハール
(訳:子ども)
花 → 花儿
huā フア → huār フアール
(訳:花)
电影 → 电影儿
diàn yǐng ディエンイン → diàn yǐngr ディエンヤール
(訳:映画)
脸蛋 → 脸蛋儿
liǎn dàn リエンダン → liǎn dànr リエンダール
(訳:ほっぺ)
これらの単語はアール化しても意味は変わりません。
ただ、ちょっと可愛らしい感じ、柔らかい感じが出ます。
それからアール化すると「北部っぽさが出る」というのは確かです(笑)
这 → 这儿
zhè ジェー(これ)→ zhèr ジャール(ここ)
那 → 那儿
nà ナー(あれ) → nàr ナール(あそこ)
哪 → 哪儿
nǎ ナー(どれ)→ nǎr ナール(どこ)
アール化したものは、それぞれ「这里、那里、哪里」とも呼ばれますね。
日常的に使う単語で、アール化で意味が変わってくるのはこのくらいかもしれません。
画 → 画儿
huà フア(絵を描く) → huàr フアール(絵)
顶 → 顶儿
dǐng ディン(支える) → dǐngr ディアール(頂上)
これらはアール化すると、名詞としての意味で多く使われます。
これも全体としては数は多くないので、普段は意識する必要はありません。
ピンインとしては「r」が語尾につくのですが、その直前の発音によって変化に違いが出てきます。
変化がない場合も含めて4種類に分けられます。
発音に変化なく、ただ最後に舌をひょいとそりあげるだけす。
iを発音しなくなる変化が起こります。
発音にあわせてピンインを書き直せば、「小孩儿=xiǎo hár(シャオハール)」、「口味儿 kǒu wèr(コウワール)」ということになります。
ただし、ピンインとしては「i」は残したままの表記が正しいです。
これは「n」を発音しなくなります。
発音にあわせてピンインを書き直せば、「玩儿=wár(ワール)」、「有点儿=yǒu diǎr(ヨウディアール)」ということになります。
ただし、ピンインとしては「n」は残したままの表記が正しいです。
これは「ng」を発音しなくなると考えていいでしょう。
発音にあわせてピンインを書き直せば、「有空儿=yǒu kòr(ヨウコン)」「电影儿=diàn yǐr(ディエンヤール)」となります。
これも正しいピンインは「ng」を残したままのものです。
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一部の単語をのぞいて、アール化しても意味に大きな変化はないことを紹介しました。
また、発音については細かい違いはあるものの、最後に舌をそりあげてこもればよいことも見てきました。
どちらかというと、アール化を多用する人がなにを言っているのかを理解するほうが難しいかもしれません。
これは慣れが必要なので、北部の人とたくさん話すしかなさそうですね(笑)
それでは今回はこの辺で。
再见~!