こんにちは!kammyです。
「上火 shàng huǒ」という症状があります。
中国では悩まされる人も多い症状で、日常生活でかなりよく使われます。
でも、日本語や西洋医学の中には同じ概念は存在しません。
ここがまた中国の面白いところだと思います。
病気というよりは症状といったほうがよく、病院にわざわざ行ったりするものではありません。
具体的な症状としては、唇の周りがかゆくなったり、口内炎ができたり、目が充血したり、歯が痛くなったり、鼻血が出たりもします。
その内のどれかひとつというより、それらが複数見られると、「上火」と判断されることが多いようです。
大人も子供もなります。
中医学的には、体内の陰陽のバランスが崩れて、「熱」が多くなっている状態だそうです。
そういうときには、熱を冷ます食べ物をとる必要があります。
中医学では食べ物は、熱性・温性・涼性・寒性に分けられます。
それと熱くも冷たくもない平性というのもあります。
「上火」のときには、中医学でいう熱性と温性のものは食べてはいけないようです。
辛いものや味の濃いものもNGとされます。
おそらく“熱い”系統の食べ物や香辛料が多く使われていることが多いからでしょう。
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さて、よく見かける広告にこんなのがあります。
「怕上火 喝加多宝」
上火が嫌なら加多宝を飲もう
加多宝というのは、中国でポピュラーなお茶の銘柄です。
あえて日本でたとえるなら、「おーいお茶」とかになるでしょうか。
位置付けの判断は難しいですが、そのくらい知られているブランドということです。
ただ、お茶といっても甘いお茶です。
以前も書きましたが、中国の市販のお茶は基本的に甘いです。
甘くないお茶はわざわざお金を出してまで買わないといわんばかりです(笑)
この加多宝も、とにかく甘い。
それで、このお茶は体内の熱を冷ます「涼茶」と言われる種類。
だから、「上火が嫌なら」というキャッチフレーズが使われているのです。
宴会などで食事をするときには、どうしても辛いものや味の濃いものが多くなりがちです。
そこで、涼茶を飲むのがいいよ、という広告が意味をもってくるのでしょう。
実際に、宴会の席ではよく出されます。
「上火だから辛いものは今日はダメ」等は、よく日常で使われるのですが、では上火のときに何を食べたらいいのかというのは、それほど強くは意識されていないようです。
義理の母や親戚に「上火になったら何を食べればいいの?」と聞きましたが、誰もなんだか微妙な返事ばかりでした。
熱性や涼性などの違いはあっても、中国人がすべての食品についてどれに属するか知っているわけではありません。
有名なところは知っているけれどもほとんどは曖昧、というのが実情のようではあります。
だからこそ、こうした広告が意味を持ってきたりするのかなと思ったりもします。