川原祥史著『ひとりで学べる 中国語会話』という参考書を紹介します。
この参考書はこんな人におすすめです。
目次
例文の上に、ピンインとカタカナ読みがルビとしてふられています。
それだけでも十分に丁寧なのに、加えて日本語訳が単語ひとつひとつにふられているのです。
これは初心者向けの入門書でもなかなかありません。
でも、これが中国語初心者にはものすごく便利だし学習上効率的だろうと思います。
というのも、例文を読んでいて、分からない単語があるとそこで理解が止まってしまうことありませんか?
少なくとも私はよくありました(笑)
途中で止まってしまうと、文章全体としての理解が頭にすっと入ってこないのです。
もちろんどの参考書でも文章全体としての日本語訳は書いてあるのですが、ひとつひとつの単語には意味はふられていないのが普通です。
しかしこの本では、単語ごとに逐一日本語がふられているので、ピンポイントで意味が分からずに文章が読めないということはありません。
だから、文の構造の理解に集中することができるのです!
語順を中心とした文の構造の理解というのは、中国語文法においてはとても重要です。
語順の理解がすなわち中国語文法の理解といってもいいくらいです。
(その理由はこちらに書いてあるのでご覧ください→中国語文法ーその特徴と各項目を総まとめ)
その大事な大事な語順への理解を優先させるために、ひとつひとつの単語にわざわざ日本語のルビをふっているんだろうと思います。
これは本書の大きな特徴であり、初心者にとってこの上なくありがたい作りだと感じます。
「中国語会話」という会話に特化した本なので、文法事項の説明は最小限です。
そのかわり会話でよく使われるフレーズを42個紹介していて、それがきわめて分かりやすく書かれています。
単語をパーツとして扱い、そのパーツを別の単語に交換することで、いろんな文章を作り出すことができるというコンセプトで構成されています。
とても分かりやすい!
しかも6フレーズごとに練習問題がついているので、それが適度な復習になります。
ゆっくりスピードとノーマルスピードの2つの音声CDが付いているのも本書の特徴です。
普通はCD1枚だけなのに、スピードをかえて2枚付けてくるとはなかなかよくできてます(笑)
表紙のイラストを見てもらえば分かりますが、イラストがゆる〜い感じなのがいいです。少なくとも個人的には好きです。
イラストには好き嫌いが出ると思いますが、表紙のゆる〜いなぜか中華風の帽子かぶっているクマ(?)が好きであれば、間違いなくおすすめできます!
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メリットがデメリット、長所が短所というのはよくある話で、日本語訳がひとつひとつの単語についているという本書のメリットはデメリットにもなりえます。
すでに単語をある程度知っている学習者にとっては、少し邪魔に感じるかもしれません。
ただ、初心者向けだというふうに割り切ればメリットにしか思えません。
たとえば、「烟灰缸」「巧克力」「按摩」と突然文章に出てきても、初心者には分かりません。
で、単語の意味が分からないから意味が書いてあるところを探そうとページ内を目があっちこっちを探します。
その作業がなんとなく学習者を眠くさせる・・・笑
そういう初学者の苦労を知ってるつくりになっているのは、よく練られているなという印象です。
まとめるとこの本はこんな人に向いていると思います。
それでは今回はこの辺で。
再见~!