こんにちは!kammyです。
「中国人は鴨をよく食べる」の続編です。
上海虹橋駅には鴨肉(スパイシーダック)を売るお店が4店舗もありました。
上海虹橋駅とは、国内鉄道のターミナル駅です。
今回そこを経由したので少し注意して調べてみたのです。ただあまりに広いので、半分しか見ることができず、合計ではもっとあるかもしれません。
同じ場所にケンタッキーは2軒あり、似たようなハンバーガー屋は1軒ありました。
中国のケンタッキーはチキンだけというより、ハンバーガーを売るお店という色合いが濃い。
その意味では、ハンバーガー屋と同じくらいの“市民権”を鴨肉屋が握っている、とも言えそうです。
日本に置き換えて考えてみると、たとえば東京駅の構内に、同じ特定の商材を扱うお店が数軒あるかどうか。
ラーメン屋ならありそうかなと考えると、中国の鴨肉屋は日本のラーメン屋と同格の“市民権”とも言えるかもしれません。
ラーメン屋と同格というと、鴨肉屋のポジションの高さがうかがえるような気がします。
かなり大雑把な、鴨肉屋びいきの評価ではありそうですが・・・笑
ところで、これだけ語っておいて一度も買ったことがないというのは情けない。
ということで、中をのぞいてみることにしました。
いったい何を売っているのか?
スポンサーリンク
鴨肉というと、鴨ロースのような「お肉」を連想するかもしれません。
少し赤みの残ったローストビーフのようなイメージでしょうか。
しかし、中国の“鴨肉”店で売られているのは、「お肉」というより「骨」に近いイメージです。
メニューをざっと挙げると、
あたりが主要なメニュー。
ぱっと見たところ、手羽先以外、日本人的には食べる部位というイメージがありません(笑)
どれもお肉を食べるというよりも、骨の周りについているお肉を「かじりながら、骨をしゃぶる」という感じです。
今回、私はためしに首(中国語では「鸭脖 yā bó」)を買ってみました。
お肉はもちろん付いているのですが、半分以上は骨です。
中国の人は、この骨をかじって、しゃぶって味わうようです。
私は骨をしゃぶることに慣れていないのであまりうまく食べられませんが・・・。
その証拠というわけではありませんが、薄いビニールの手袋も一緒に入れてくれます。
お肉はそれぞれ一口サイズにはなっていますが、それをぱくっと食べて終わりではないのです。
あらゆる角度からかじって、骨をしゃぶって食べるのが正しい食べ方。
だから、手で直接持って、これでもかというほど骨を味わい尽くすのが醍醐味。
それで手袋がついてくる、というわけです。
首だけではなく他の部位も同じ。
だから、どれでも食べるのにそれなりの時間がかかります。
この鴨に限らず、中国には「食べるのに時間がかかる食べ物」が多い気がします。
有名なのは、ひまわりの種でしょうか。
周りのカラをやぶって、中にある白い実を食べます。
日本ではまったく食べませんが、中国ではとてもポピュラーな食べ物のひとつです。
ひとつひとつの種のカラを前歯で割って、中身をうまい具合に取り出して食べます。
慣れてスムースに食べられるようになっても、やっぱり時間がかかります。
ひまわりの種や鴨肉など、時間のかかるものを食べていると、中国における悠久の時の流れを感じます・・・。
というのは半分冗談にしても、中国的な時間ーゆっくりとした時間の流れーを過ごせることは間違いないです。
ところで、中国の鉄道というのは、いろいろと「待つ」時間が長い。
国内路線のターミナル駅である上海虹橋駅に鴨肉屋が多いのは、それと関係しているかもしれません。
いまでこそ高速鉄道はほぼ時間通りに動いているし、駅構内も普通の時期はそれほど混んでいません。
また、高速鉄道のおかげで、以前は半日かかったところも今は数時間でいける。
ただ、それでもまだ時間がかかるイメージがあるし、実際にいろいろ時間がかかり待ち時間もある。
高速鉄道であっても数時間かかるのは当たり前です。
その長い手持ち無沙汰の時間を過ごすために、鴨肉屋が繁盛しているのではないか。
鴨肉というか鴨の骨をしゃぶりながら、そんなことを思うのでした。