日本で、キャッシュレス決済が広がり始めてどのくらい経つでしょうか。スマホ決済もだいぶ普及して、現金を使う機会がかなり減りました。それでもまだ現金支払いのみのお店もあり、手持ちがなくて困ることがありますね。
ところかわって中国では、現金の存在をほとんど見かけません。現金がなくて困る、ということは一切ない。逆にスマホ決済のみのところが多く、スマホの充電切れ、もしくは電波が悪くて困る、ということが多いです。
この変化はここ1-2年の話ではなく、数年前にスマホ決済が普及し始めたとともに、あっという間に変化したものです。
当時驚いたのは、田舎から出てきたような小さな屋台売りまで、すでにスマホ決済を使えたことです(記事末にリンクのある別記事参照)。
決済アプリが大手2社に限られていたことや、利用料が無料といった理由はありました。ただ、それだけではこの変化の速さは説明できないと思っています。中国社会に変化を受け入れる土壌があってはじめて、こうしたスピード感が実現するというのが私の肌感です。
中国は、その広大な国土と膨大な人口というイメージからは程遠いのですが、変化がとにかく速いです。
最近の例で言えば、「抖音」というアプリの例があります。海外版はTikTok(ティックトック)と呼ばれて、日本でも若年層を中心に広がったショート動画のアプリです。
もともと中国発祥ということもありますが、この広がりも早いものでした。義理の父は70歳近いですが、この抖音を使ってさつまいもを購入しています。特にスマホに詳しいわけではなく、むしろ電子製品には疎い方です。
「抖音で買った」もしくは「ライブコマースで買った」という表現は、この3年間、私が中国に来なかった間にかなり多く使われるようになったセリフです。
抖音やライブコマースがこれだけ普及した理由はいろいろあるのでしょう。とはいえ、やはりそのベースには、速い変化を受け入れる土壌のあることが関係しているはずです。
閑話休題。
昨日、コロナ政策が緩和され始めました。緩和の内容は、地域によって違うようなのですが、公共交通機関を利用する際の陰性証明が必要なくなり、2日おきのPCR検査が求められなくなりました。簡単に言えば、ゼロコロナ政策は撤回される方向性です。
私の見立てでは、一度こう動き始めたら、中国の変化はかなり早いのではないかと予想しています。おそらく日本よりも早く、コロナ前の通常モードに戻るのではないでしょうか。
もちろんコロナと、アプリや新技術というのは単純に比較できるものではないかもしれません。それでも中国人は速い変化に慣れっこで、なおかつゼロコロナ政策には相当に疲れています。希望的観測を含めて、中国のコロナ政策の変化の速さに期待したいと思っています。
スマホ決済が普及し始めた当時(2017年)に書いた記事↓