唐突ですが、北京での10日間の隔離期間中、食事の時間は下記のようでした。
朝:7時半から
昼:11時半から
夜:17時半から
この食事スケジュールを最初に見た時は、夜ご飯が少し早いかなぁくらいに感じたのですが、これはあくまで予定で実際はもっと遅いだろうくらいにかまえていたら、本当にほぼこの時間ぴったりに(日によってはこれより早く)それぞれ食事が届けられました。
中国には基本、冷めたお弁当の概念は無く、温かい状態で食べるのが普通ですから、届けられた時間に食べはじめるということが想定された上での上記時間帯だったと思います。
今まで気付かなかったのが不思議なくらいですが、どうも中国人の食事の時間帯は、日本人よりも30分〜1時間くらい早いです。
昼についてはたとえば学校の給食の時間があります。中国の保育園や小学校では11時半に給食が始まります。日本では普通12時過ぎですね。
で、お昼が早い分、夕食の時間帯も同じように早く17時半から18時くらいが中国標準のようです。
日本では夕食といえば18時から19時くらいのイメージが強いのではないでしょうか?
朝ご飯については、日本の標準時間帯さえ平均的なイメージをつかむことがなかなか難しいですが、Googleしてみたところ「9時までに食べるのが理想」らしく、同じように中国版Googleの「百度」で調べたら、「7時半から8時が理想」と出ました。
上記どちらのサイトもそれなりの理由があって理想的な時間帯を算出しているのでしょうけれど、中国の方が早いのは興味深いところです。
日本基準で考えると、たとえば11時半に中国人が昼食を食べるのはやや非標準な印象を受けますが、逆に見れば、なぜ日本では昼食を12時から13時頃に食べるのか?明確に答えられる人はきっとほとんどいないでしょう。
視点をもっと広げると、スペイン人は14時ごろからお昼を食べる習慣があります。イギリスに留学しているときに、スペイン人数名と仲良くなったのですが、彼らはいつも14時ごろからゆっくりお昼を食べていました。たしかメキシコも同じようにお昼が遅かったと思います。
イギリスの昼食時間帯は日本とほぼ同じなので、14時にお昼を食べ始めるのは宿舎内で目立つ行為でしたし、食堂の時間などを考えると不便でもあったかと思いますが(笑)、小さい頃からの習慣を変えるのはなかなか難しいのかもしれません。
スペイン人ほどとの差はありませんが、日本と中国でも30分から1時間くらいの差があるのはどうも確か。ただ、その理由となるとそこまで判然としません。
経済成長の初期段階に朝早くから働いていた時の名残りが、中国ではまだ残っていると見ることもできるかもしれません。打工(=労働者)の朝は早い。朝早くから働けば、その分、早くにお昼にお腹が空き、さらに夕食もその分早くなるという論理です。
ならば日本もすこし前まではお昼が少し早かったかというと、たぶんそうでもなく、「早朝から働いていた名残り仮説」では日中の30分の差は説明がつかなくなります。
きっと30分の違いの理由はもっと複雑で、それぞれの国で、何らかの理由でどれかの食事の時間帯が決まり、それに応じて三食の時間帯も決まった、というような感じではないでしょうか。
夕ご飯を早く食べ終わることで思い出すのは、中国では夜に街をぶらつく習慣が強いことです。夜9時くらいまではおばあちゃんや子どもを含めた老若男女が夜の街中をうろうろしています。
(だからなのか、どこの街に行っても、市街地であれば夜に危険を感じたことがありません)
夜の屋外活動が活発なのは、夕ご飯の時間が早いせいだけではないと思いますが、理由の一つではある気がします。