中国でのビジネスでは何が大事なのでしょうか?
それについて中国で実際にビジネスをやっている中国人から話を聞く機会がありました。
お金?コネ?アイデア?
私が話した彼は「ビジネスパートナー」が何よりも大事だと言い切りました。
その理由と背景について解説します。
話を聞いたのは、中国浙江省の義烏市でさまざまなビジネスをやっている30代の男性です。
もともとは貿易業の仕事についていましたが、その後同じく貿易業の仕事で独立。
今では片手間に(?)その貿易関連の仕事もやりながら、現在は教育関連のビジネスを始めようとしているところです。
自動車修理工場も経営していて、同時にビジネスをいくつもやっている感じ。
見た目はそれほどパッとした印象ではありません(笑)
金色の腕時計をつけているわけではないし、超高級車に乗っているわけでもありません。
どこにでもいるような地味な中国人のおじさんです。
ただ話し出すと唾を飛ばすほどの勢いでいろんな話をしだして止まらない、特にお金に関連した話は熱くなるというような感じ。
一緒にいたときにも、電話は鳴るわ、メッセージは鳴るわで忙しそうな感じでしたが、それを特に鼻にかけるわけでもありません。
「神出鬼没の台風のようなイメージ」
そんな印象が残る、なんとも形容しづらい不思議なエネルギーをもった人でした。
「勉強」という意味での頭のよさは感じさせる雰囲気ではなく(それでも修士号をもっています)、実業ではめっぽう強い、そんな印象も残りました。
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そんな彼が言ったことで印象的だったのは、
ビジネスでは何よりもビジネスパートナーが大事
と言っていたことでした。
「ビジネスをやる上で大事なのは、何をやるかでもないし、資金力でもない。何よりも一緒にやるパートナーが大事だ」
彼はそう言い切りました。
同時にいくつものビジネスを抱えているわけなので、すべてを自分でやるわけには当然いきません。
彼の代わりに働いていてくれる人がいなければ、同時にビジネスを進めることは不可能ということを体験として知っているからこそ、パートナーが大事という教訓を大切にしているのでしょう。
特に彼の場合には、企業に入って仕事をしているわけではなく、自分自身でビジネスを起こして進めるという意味で個人事業に近いイメージです。
中国社会で生きていくにはコネが重要とよく言われますが、その考えは中国ビジネスの世界でも今だに有用です。
日本のように「企業」対「企業」で仕事の話が進むことはそれほど多くありません。
たとえ表面的には企業同士であっても、「個人」対「個人」の話としてうまく事が進んだり、契約につながったりすることが多いのが中国ビジネスです。
今回話した彼が、パートナーという人的資源の重要さを強調するのには、そうした中国ビジネス社会の特徴も大きく関係していると思います。
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そうした考えがベースにはあるものの、彼がいった中で印象に残ったのは、
それでもやっぱり貿易が一番手っ取り早く儲かるよ
ということでした。
日本との関係でいえば、ピクルスと石炭が日本市場向けにはいい感じ、ということを言っていました。
私はその分野に詳しくないので「そんなもんか」と思っただけでしたが、お金の匂いのするところには敏感な嗅覚がそなわっているようです。
貿易業に関する人たちと何回か話したことがありますが、一般人には見えないモノやお金の流れが彼らには見えているような印象があります。
ピクルスと木炭なんて、普段の生活で意識しませんもんね(笑)
浙江省の義烏市は自分でビジネスをしている人が多い街です。
貿易業で栄えた街で、市内には日用品を中心として中国最大規模の卸売市場があります。
今回話を聞いた彼は、そうした特徴的な街で生まれ育ち、自身でビジネスをしている人なので、その意味で一般的な中国人とはいえません(そもそも一般的・典型的な中国人というものは存在しないと私は考えていますが)
ただ、上記で説明したように、中国ビジネス・社会全体の特徴をあわせて考えると、中国のビジネスではビジネスパートナーが大切というのはひとつの真実を示しているように思えます。
中国のスマホ事情については「中国ではスマホだけでどれだけ生活できるか」を、文化・生活一般については「生活・文化の日本との違い【まとめ】」もご覧ください。
それでは今回はこの辺で。
再见~!