中国の病院で知り合いのツテを使って受診予約

こんにちは!kammyです。

先日、病院に行ったときのこと。

中国の病院は、まず受付をして診療予約のようなものをとる必要があります。

診察券を出してどの医師に診てもらうかを決める受付という意味ではおおよそ日本と同じです(ただし中国は基本先払い)。

医師が1日に診られる患者数には限りがあるので、遅くにいくと診療を受けることができません。

そのため人気の診療科だったりすると早朝に病院にいく必要があります。

その日はすでに時間が遅かったため、受付をしようとするとその日の受付はもう終了したと言われました。

この後の展開が中国的でした。

妻(中国人)は、スマホで知り合いに連絡をとりました。

そして、知り合いがその受付に連絡を伝えてくれて、なぜか(?)その日の診療を受けることができるようになったのです。

そこは小さな規模の病院ではありません。

義烏市では一番といってもいいサイズの大きな病院です。

分かりやすさを優先してあえて日本でたとえれば、川崎市で一番大きな病院と同じくらいといったらいいかもしれません(人口規模的に近い:義烏市は約200万人、川崎市は約20万人。人口差から10分の1くらいが妥当に比較できるように思っています)。

妻の知り合いというのは、小学校のときの同級生。

ものすごく親しいというわけではなく、むしろ疎遠なほう。

最近はほとんど連絡を取っておらず、10年ぶりくらいだったらしいです。

しかも、その同級生は医師ではありません。

病院の別の部門で事務職をしているといいます。

日本でも裏ルート的なかたちで、有名な医師を予約することができることもあるでしょう。

でも、そうしたケースとはちょっと事情が違います。

受付や窓口の人もそうしたことに慣れているような雰囲気がありました。

窓口に、特殊な事情で見てくれることになったことを伝えると、特にいぶかることなく、普通に順番待ちに入れてくれたからです。

一般的な日本人であれば、小学校時代の友人にーしかも疎遠のー、診療の予約を入れてくれと頼むことは、よほどのことがない限り遠慮するでしょう。

また、もし頼んだとしても、「決まり」や「ルール」、「秩序」を重視する日本では、そうした要望が受付まで通って、実際に予約をとることができるケースはほとんどないように思われます。

頼んだ知り合いが受付の当事者であっても難しいかもしれません。

もしかしたら妻が特殊ケースの可能性もゼロではありませんが、どうも経験的に、中国人というのはそういう部分があります。

まだ私の中でうまくまとってはいないのですが、中国では人間関係を「貸し」と「借り」で意図的につくっていくようなところがあるように思うのです。

たとえば今回、妻は疎遠な友人に頼み事をしました。

でもそこにあまり遠慮はなかったように感じました。

少なくとも日本人的な感覚で、切羽詰まった状態だからお願いするわけではなく、断られたらそれでいい的なノリもありながら、頼んでいる節があります。

むしろこの機会を利用して、疎遠な友人との関係をつくっておこうという意図もあるように思えました。

頼みを受けたほうの友人にも似たような感覚があるはずです。

さらに注目したいのは、中国ではこうした大きめの病院でも、「関係」を利用した裏ルートがそれなりに頻繁に使われるという事実です。

そして、中国人はそれが当たり前だと思っています。

同じようなことが日本でも可能だと思って、「日本人にとっては無理なこと」を中国人は頼んできたりします。

具体例はいま思い出せないのですが、“中国人からの頼まれごと”には、時折かなり無理なことが含まれていることがあるのはそういう事情があるように思います。

左のピンクの案内の下にある小さな紙が、裏ルートの予約。 他の普通の予約は、中央の画面上に表示されています。

kammy

約20年近く中国・中国人と関わっている中国通。中国や中国人のことが好きで、その面白さを伝えるべくブログを書いています。妻は中国人。