こんにちは!kammyです。
上海の「お見合い通り(相亲角)」と言われるところに行ってみました。
今日は写真がたくさんあるので、先に写真を見たほうが分かりやすいかもしれません。
日本語では、お見合い広場とも言われているようです。
場所は、上海の中心地にある人民公園。
いわゆる普通の公園で、繁華街の近くで地下鉄の駅もあります。
東京でいえば日比谷公園的な感じでしょうか。
そこは週末になると、たくさんの“求婚募集”がされています。
息子や娘の“履歴書”をもった両親やその祖父母にあたる世代の人々が、子どもの結婚相手を見つけるために所狭しと集まっているのです。
だいたいA4くらいの紙に、年齢、性別、職歴、収入、性格、相手に求めることなどが文字で書かれていて、最後にだいたい親の連絡先が書かれています。
本人の写真はほぼありません。
そうした募集紙が地面にずらっと並べられていたり、傘に貼られて地面に置かれています。
求婚募集はたとえばこんな感じ。
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79年生まれ、女性、未婚、大学卒、上海人、外資企業勤務、家所有、見た目よし、72年以降生まれの未婚の上海人男性を希望、身長は170cm以上希望
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84年生まれの上海人男性、未婚、身長180cm、大学学部卒、公務員、持ち家あり・車所有、87年以降生まれの上海人女性希望、身長は162cm以上、大学学部以上卒で、気質がよく見た目もよいこと
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90年生まれ、女性、上海人、未婚、身長170cm、最終学歴は修士、外資系企業勤務、趣味はピアノ、男性に求めるもの:85−90年生まれ、学歴は学部卒以上、身長は178cm以上、結婚後の家の準備がある人
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印象として多かったのは、80年代生まれで学歴・収入も高めの女性。
若いころ(20代)のころに結婚せずに残った女性という意味で中国語では「剩女」と言われたりする世代なのでしょう。
学歴も収入も高い女性は(さらに容姿端麗であればなお)、中国のみならず一般的に結婚できない、というか結婚をしないという選択肢の魅力が大きく、未婚率が高いとされています。
だから、このお見合い広場でそうした女性の求婚募集が多くても不思議ではありません。
そうと理屈では分かっていても、なぜこれほど魅力的な条件の人が結婚しないのだろうと感情的に反応してしまう募集が多いです。
ひとつひとつを丁寧に見ていくと、女性に限らず男性でも、引く手数多ではないかと思われるような“充実した履歴書”をたくさん見かけました。
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面白いのは、肝心の本人は現場ではまったく見かけないことです。
その場にいる99%は両親もしくは祖父母の世代です。
本人は自分の求婚募集が出されていることを知っているのでしょうか?
このあたり少しヒアリングしてみたかったところです。
本人が知っていても知らなかったとしても、現場にきて実際に募集をかけているのは両親世代。
子どもが優秀であればあるほど、「なぜ早く結婚しないのだろう」と思うのは心情的に理解できるような気がします。
それから個人的に興味深かったのは、外国在住の人の求婚募集が集まったところがあったことです。
その一角は、外国に住んでいる人の募集ばかりが置かれていて、日本在住の人もそれなりの数がありました。
海外の修士や博士を修了しているような高学歴層もかなりの数ありましたし、現地の企業で何年も働いている人とか、アメリカのグリーンカードを持っている人なんかもありました。
本人は自分がここで募集されていることは知らないんじゃないかと想像すると、なんだか少し不思議な気分になります。
その一角を歩いているときに、「どんな人を探しているんだぃ?」とそこに座って見張り(?)をしていたおじさんに声をかけられました。
日本在住の募集などを少し熱心に見入っていたからでしょう。
私はこういうとき咄嗟にうまい嘘をつける演技派ではないので、正直に自分は日本人で見にきただけだ、と答えました。
すると、「日本に住んでるいい女性がいて、その母親がそこにいるよ」と近くにいたその母親を紹介されました。
その娘さんは、20歳前後のときに日本のアニメなどが好きで日本に留学し、そのまま日本に住んで10年経つとのこと。
「娘さんはとにかく見た目が可愛いんだよ〜」とさきほどのおじさんに何度も言われましたが、こちらは既婚の身。
友人に紹介しておきますと伝えて、募集の写真を撮らせてもらいその場をあとにしました。
ちなみにそのおじさんも娘さんがアメリカにいて、募集の紙も置いてありました。
ある親戚は「結婚に焦っているのは両親だけで、当の本人たちは何も思っていない」と言っていましたが、まさにそんな感じもしました。
広場の部分では、両親世代が活発に情報交換をしていました。
本人のいない場所で情報が行き交っていて、果たしてここから実際の結婚にまで至るのはどのくらいの割合なのだろうと、素直な疑問が浮かびました。
結婚にたどり着くのが理想的なゴールなのでしょうが、親世代同士の世間話や慰め合い的な要素もたぶんにあるのでしょう。
これだけスマホが普及し、ネットでも同様の求婚情報はあふれているにも関わらず、これだけの人が集まるのにはそうした背景があるように思います。
このお見合い広場的な集まりは、2010年ごろから各地で出没するようになったらしいです。
上海だけではなく、大都市には似たようなものが、決められた曜日の決められた場所で開かれているとのこと。他の都市にいったら見に行ってみたいものです。
ここ上海人民公園の募集は、ほとんどが20−30代の募集ですが、私が見たなかでの最高齢はなんと58歳の男性でした。
現場にいる親世代を狙った募集かなと思いました(笑)
余談:
お見合い広場を出た後で、ふと思いついて、上で紹介された日本在住の女性を、同じく日本在住の中国人の知り合いに話してみました。年齢も適当で、未婚、彼女もいない知り合いだったからです。
写真も何もない情報では判断できないだろうし(写真をもらっておけばよかったとかなり後悔)、余計なお世話と知りつつも、情報だけ送ってあとは本人の判断にもちろん任せました。ただ、もし万が一でも、これで見ず知らずの二人がつながったら楽しいなと想像してひとりニヤニヤしてしまいました(笑)
赤の他人の縁をつなげることがこれだけ楽しいのだから、もし自分の子どもの結婚相手を見つけることができたら、それはそれはとても嬉しいし楽しいだろうなと想像できました。焦りという気持ちもあると思いますが、そういう楽しさを想像している親御さんもたくさんいるんだろうなと思いました。