こんにちは!kammyです。
中国人の妻が驚きの目でいつも見ていた番組に、NHKの「キッチンが走る!」があります。
もう放送は終了してしまったのですが、テーマとしてはキッチン付きの車で全国各地を旅しながら、その場所の特産品などを使ってプロの料理人が料理をふるまう、という内容でした。
できた料理を現地の人にふるまって、「こんな使い方があるなんて」とか「素材の味が引き出されていておいしい」といった反応を楽しむのも、番組のひとつの特徴でした。
妻が驚いていたのは、その食材の調達過程です。
俳優の杉浦太陽さんが毎回、ゲストの料理人に付き添って現地の畑や漁港などを訪れます。
現地の新鮮な食材をつかって料理をするのが番組のテーマなので、食材調達の部分にもけっこうな時間が割かれていました。
たとえば、通りかかった畑によって、農作業をしているおじさんに声をかけます。
「大根の収穫をしてるんです」
と聞くと、二人は近くに寄っていって、料理に使わせてもらえるかどうかを見に行きます。
そこでほとんどの場合、「食べてみる?」とそのおじさんやおばさんに言われて、ふたりはガジリと生の大根をそのままかじって食べるのです。
そして、「あまーい!」といったコメントとともにその食材を分けてもらったりする、という流れです。
この番組でなくても、テレビではよくありがちな光景ではあります。
ただ、「畑で獲れたものをその場で生で食べてしまう」というところを、妻は新鮮な目をもって眺めていました。
時にはそれが畑の大根ではなくて、菜っ葉など普通はあまり生で食べない野菜だったりーまぁ大根も生ではあまり食べませんがー、もしくは漁港の貝や魚だったりします。
それらを、ほとんどはその場でまず「生で味見してしまう」。
よくよく考えてみれば、たしかにちょっとしたユーモア感があります。
採れたての野菜といえば響きはいいですが、採れたその場で生でパクパク食べる様子には、たとえば、リスが目の前に落ちてきたどんぐりを急ぎ頬張るような、可愛さというか滑稽さのようなものを感じるのは私だけでしょうか。
妻にとっては、生で食べるということが珍しく映ります。
中国の料理はほとんどが火を通したものです。
最近でこそ、ちょっとおしゃれなレストランなどでは生のサラダが出たりすることもありますが、基本的には火を通したものがほとんど。
だから、テレビで次々と生のものを口に入れては「あまーい!」「おいしい!」とコメントを発する人々が珍しくみえるようです。
言われてみればそんな気もします(笑)
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日本の料理は「水の料理」、中国の料理は「火の料理」。
漠然とそんなイメージがあります。
中国の家庭での料理は、まず食材を選びます。
義理の母といっしょに市場やスーパーに行くと、「何が食べたい?」とよく聞かれます。
そこで期待されているのは、「カレーライス」とか「ミートソースのスパゲティ」とかではなく、「白菜」とか「ナス」といった食材の意味合いのほうが強い感じです。
食材を選んだ後、調理の過程で、それらはほとんどはまず油で炒められます。
分かりやすいところで言えば、たとえば「トマト」。
日本であれば生でそのまま食べたり、サラダにしたりすることが多いですが、中国ではだいたい炒めます。
卵と一緒に炒める家庭料理は日本でもだいぶ普及しています。
また、いま思いつく限りでは、きゅうりは生のまま食べることもあります。
ただ、その上には油で炒めたニンニク醤油がかかっていたりして、「油」という要素は欠かせないような雰囲気があります。
そのほかにも日本では生で食べることも多いキャベツも火が通ります。
そして、油を使わない純粋な煮物的なものは少ないようです。
料理は地域によって、そして家庭によってかなり差がありそうです。
だから、一般論は難しい感じがありますが、油を使って炒める料理ー「火」の料理が多いことは共通しているような気がします。