「到」の意味と使い方について徹底的に解説していきます。
「到」という字は、文法的にいえば主として3つの役割があります。
ひとつの漢字であるにもかかわらず品詞がこれだけあります。
そのため「到」が動詞の前に来ることも後ろに来ることもあってまさに神出鬼没(笑)
文脈にそって意味を理解しなくてはならない場合もあり、だから分かりにくい中国語のひとつになっています。
その「到」をここでは徹底的に分かりやすく解説しました。もうこれで悩むことはありません!(笑)
目次
中国語の漢字には、さまざまな品詞を持つものがいくつかありますが(在、給など)、一般的にはどれも動詞のもつ意味が基本になって派生していることが多いです。
「到」もその例にもれず、「やって来る、到着する」という動詞の意味がベースとなって、派生した使われ方をしています。
まず、動詞としての「到」の意味をしっかりと押さえるために簡単な例文をみてみましょう!
結論を繰り返すと、「(人・物・時間が移動して)やって来る」というのが基本の意味です。
これを理解すれば、あとは形式だけの問題になります。
shàng hǎi zhàn dào le
上海站到了
シャンハイジャンダオラ
上海駅に着きました
そのまま「到着した、着いた」という意味です。列車や地下鉄が駅に着くと、駅のアナウンスが「◯◯站到了」と言うのはよく聞くフレーズです。
chūn tiān dào le
春天到了
チュンティエンダオラ
春が来た
こちらは「到着する」というよりも「やって来る」という意味で使われていますね。
kuài dào bā diǎn le
快到八点了
クアイダオバーディエンラ
もうすぐ8時です
「快〜了」というのは「もうすぐ〜です」という決まった表現になります(もうすぐ・まもなくの中国語)
「8時がやって来る」=「8時になる」という表現で、時間が「来る」場合についても「到」は使えるということです。
「何かが移動して自分の近くに来る」というのが「到」の持つベースとなるニュアンスです。これを頭に入れておいてください。
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到 + ◯◯ + 動詞
「助動詞」とちょっと文法的な言葉を使って書きましたが、ここで説明する「到」は、訳としては「〜まで」「〜へ」といった意味になります。
これは基本的に動詞の前に置かれて使われる用法になります。
dào zhè lǐ lái
到这里来
ダオジェーリライ
ここに来て
これは日常的によく使われるフレーズですね。
wǒ men dào zhōng guó qù lǚ yóu
我们到中国去旅游
ウォーメンダオジョングオチーリューヨウ
私たちは中国へ旅行に行く
この文章の動詞は「去 qù」=「行く」です。
その動詞の前に置いて「どこへ」をあらわす表現として「到中国=中国へ」という表現が使われています。
měi tiān dào wǔ diǎn zuò gōng zuò
每天到五点做工作
メイティエンダオウーディエンズオゴンズオ
毎日5時まで仕事をする
この例文の動詞は「做 zuò」です。その前に「5時まで」をあらわす表現として「到五点」が使われています。
動詞 + 到 + 目的語
「到」のもうひとつの使い方は、動詞の後に置かれて使われる用法です。
「到」の基本的な意味は「移動して近くにやって来る」という意味でしたね。
そういう意味合いを直前の動詞に加える役割として使われます。
動詞の直後に置かれて、動詞に意味を付け加えるこうした語句を文法的には補語(この場合は結果補語)といいます。
さぁ、例文を見てみましょう!
wǒ mǎi dào le piào
我买到了票
ウォーマイダオラピャオ
私はきっぷを手に入れた
「到」がなくても文章としては成り立ちます。「我买了票」=きっぷを買った、という意味です。
ここに「到」が加わると、「移動してやってきた」というニュアンスが加わります。
そのため「もともと手元になかったものを買って手に入れた(そして自分の近くにそれがある)」という意味合いが含まれる表現になります。
wǒ zhǎo dào le
我找到了
ウォージャオダオラ
見つけた
何かを探していて見つけたときによく使う日常的なフレーズです。
これは「到」がもし無い「我找了」だと、「私は探した」という意味に変わってしまいます。
それに「到」がつくと、そのもともとの意味=「移動してやって来る」が加わるため「見つかった」という意味に変化するのです。
wǒ men xué dào dì wǔ kè le
我们学到第五课了
ウォーメンシュエダオディーウークー
私たちは第5課まで勉強した
もし「到」が無い文章「我们学第五课了」だと、1−4課は学んだのかどうかがはっきりとは分かりません。
それに「到」が加わると、「学び続けて5課まで来た」というニュアンスが含まれるようになります。
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動詞の直後に「到」を付ける使い方を説明しましたが、「到」は無差別に動詞につくわけではありません。
くっつきやすい相性の良い動詞があるので、ここで紹介しておきましょう!
开 kāi、看 kàn、来 lái、买 mǎi 、跑 pǎo、碰 pèng、骑 qí、说 shuō、学习 xué xí、运 yùn、找 zhǎo、追 zhuī、遇 yù
中国語の文法書としてはこの1冊で十分。中級以上は必須。始めから通して読むのではなく、手元において分からないことが出たら辞書的に使うのがよい本です(私もそうしていました)。上の動詞の一覧はこの本を参考にしました。
最後に、このような表現について紹介しましょう。
ちょっと応用編ではありますが、日常でもよく使うフレーズにも含まれていることが多いので軽く解説しておきましょう!
これは上で紹介した補語としての「到」(動詞の直後に置く用法)の応用版です。
動詞と「到」の間に「不」もしくは「得」と入れることで、「できない」もしくは「できる」といった意味を付け加えます。
補語の可能・不可能をあらわす表現なので、「結果補語の可能形」と文法的には呼ばれています。
wǒ zhǎo bu dào le
我找不到了
ウォージャオプダオラ
見つからなかった
「見つからない」という表現は間に「不」を入れて「找不到」です。
nǐ de shēng yīn tīng bu dào
你的声音听不到
ニーダションインティンプダオ
あなたの声が聞こえない
携帯で電話していて電波が悪くて相手の声が聞こえない・・・そんなときに使えるフレーズです。
「听」=「聞こえる」という状態がやって来ない=聞こえない、という感じです。
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「到」がもつ本来の意味は「移動してやって来る」ということでした。
それの派生として、動詞の前について「〜まで」「〜へ」を表したり、動詞の後ろについて補語として動詞の意味を補ったりする役割をもっていることを紹介しました。
よく意味が分からなくなったら、基本の意味に立ち戻って考えればきっと答えが見えてきますよ。
それでは今回はこの辺で!
再见~!