こんにちは!kammyです。
病院の予約を代わりに取ってくれる人、というのが中国には存在します。
中国の病院は、診療を受けるためにまず受診手続きをしないといけません。
名前や番号を登録して、その日の診察の予約を取るようなイメージです。
「挂号 guà hào」と呼ばれます。
大きな病院であればあるほど、この受診手続きに並ばされます。
基本的には早いもの順で、早く来た人から早く診てもらえます。
だから、あまり遅い時間に行くと、その日には診てもらえなくなったり、違う日にまた来院しないといけません。
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先日、大きめの病院に行ったときのこと。
妻が、中国版LINEであるウィーチャット(WeChat:微信)をいじりながら、病院の予約が○○時からとれた、というのです。
聞けば、同じ病院にいったことがある親戚から、そうした代わりに受診手続きをやってくれる人の電話番号を聞いて、その人にやってもらったというのです。
中国語では「黄牛」と呼ばれる職業(?)です。
なぜ黄色い牛なのかは謎ですが、日本語では「白タク」と呼ばれる無許可タクシーも、同じく「黄牛」と呼ばれたりします。
隙間をついたぎりぎりの仕事を「黄牛」と言ったりするのかもしれません。
もともとはダフ屋の意味があるそうです。
で、その親戚はいったいどこからその「黄牛」を知ったのか?
親戚のグループチャットで聞いてみると、あるおじさんが、「病院の前で何かを売っている人はほとんど黄牛だよ」と教えてくれました。
病院の前では、小さな肉まんやお菓子などを売っている人がいることがあります。
そうした人々が代わりに予約を取ってくれる仕事もしているというのです。
そうした人たちは、常に病院の前にいるから、診察券番号などがあれば簡単に受診手続き(当日予約)ができます。
さらに、そうした手数料は肉まんなどを売って得られるよりも利益があるのでしょう(もしくはそうした価格設定でしかやってないでしょう)。
実際、今回頼んだ黄牛は、けっこうな金額でした。
受診手続き自体は70元なのですが、その約3倍の200元(約3,500円)を支払いました。
並んで予約を取るだけですから、直接的なコストはかからないことを考えると、かなりいい商売です。
1つ1元の肉まんを売っているよりは稼げるでしょう。
ただ、こうした仕事も徐々になくなりつつあるはずです。
病院のアプリをダウンロードすれば、スマホから当日予約もできる旨のお知らせが病院内の至るところに貼ってありました。
また、アリペイと呼ばれるスマホアプリでも当日予約などの同様の手続きが可能なようです。
アリペイとは中国人なら今ではほとんどの人が使っている電子決済アプリです。
つまり、スマホの利用と発展が進んだことで、黄牛の仕事も少なくなってきているとみていいでしょう。
先日読んだ本で面白かったのは、スタバのコーヒーを代わりに並んで買って来てくれるサービスがあるという話。
スマホのアプリから発注(?)するらしいのですが、上海の忙しいビジネスマンなどが使っているとのことです。
時間あたりの費用が安い出稼ぎ労働者や学生などがその担い手になっているのだろうと思います。
スマホの発展により消えていく仕事と増えていく仕事。その境目はどこにあるのか。
変化のスピードが早い中国からは常に目が離せないなと思わされます。