羊肉を串刺しにして焼いた「羊肉串」という焼き鳥のような食べ物があります。
レストランの他にも、路上でもよく売っており、風味も食べやすく日本人の口にもよく合います。
私も北京の路上でビールと一緒によく食べた覚えがありますし、今も見かければ食べたい好物のひとつです。
その羊肉串を売る屋台が、よく通る場所に最近出始めました。
屋台といっても、小型のバーベキューセットのようなものと、材料の羊肉串、そしてスマホ決済のためのQRコードが書かれた紙があるだけ。
片付けも移動も数分あれば済みそうな非常に簡単な設備のお店です。
(中国のスマホ決済・電子決済についてはこちらもどうぞ→「中国のスマホ決済は違法屋台でも利用可能」)
メニューは羊肉串だけだから、肉が串に刺してあればそれを火に通すだけ。
ほぼ手ぶらに近い身軽な店主が、おいしそうな匂いと煙を立たせていました。
周囲に羊肉串を売っているお店もなく、人通りも多いことから、よく繁盛しているように見えました。
そういうことに敏感な妻も「これはうまいこと考えたね」と言っており、私たちも数回買いました。
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そこは、日用品を売るお店が集まる市場「副食品市場」という入り口で、今日そこを通りかかると、その入り口の反対側に、まったく同じ感じで羊肉串を売る別のお店が出ていました。
最初のお店が出て、1ヶ月も経っていないと思います。
売れていそうなものがあれば、すぐにそれを真似する人が現れるというこのスピード感は、中国の大きなバイタリティのような気がします。
これは、市場競争がとても激しいという意味でもあります。
今回の例は、設備が簡単で誰にでもすぐに始められるために、これだけ早くライバル的存在が現れたのだろうとは思います。
ただ、売れているものはすぐに目をつけられ真似されるという点で、中国は日本よりもその度合いがとても激しいように思います。
以前の記事でも書きましたが、中国では売れている商品にはすぐに模倣品が出回ります。
そしてすぐに模倣品の種類が多くなって、あっという間にどれがオリジナルだったのか分からなくなるのです。
中国でのカクテル人気に火をつけた「RIO」というビン入りのお酒があるのですが、これにも模倣品がたくさんあります。
私もRIOだと思って買ったのが、実は模倣品だったということもありますし、「OMG」(オーマイゴッド)というなんとも冗談めいた商品を見かけたこともあります。
そして、この「RIO」を作っている中国の企業も、日本の商品を真似してパッケージのデザインをしたりしています(上記ブログに写真があります)。
売れているものをあからさまに真似するのは倫理的・世間的に抵抗のある日本人も多いように思いますが、中国では、売れているものが真似し真似されるのは普通のこと。
このあたりの感覚は日本と中国でかなり差があるような気がします。